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ぶ部3Ⅰ総論 リンパ浮腫診療の基礎知識でん(1)表層リンパ管・深層リンパ管(図2)でも起こり得ますが,本書ではがん治療後の後遺症として四肢(腕や脚)に生じたリンパ浮腫を対象に作成しています。 表層リンパ管は体の表面の真皮から皮下組織に分布しています。さらに深い層,つまり筋膜の下に潜り,太い血管の周囲にあるリンパ管は深層リンパ管と呼ばれます。 表層リンパ管は一旦領域リンパ節に入って,深層リンパ管に合流していきます。 右脚と右下腹部,右臀の鼠径リンパ節に流入します。鼠径リンパ節は鼠径部にあり手で触れる場所にあります。鼠径リンパ節からリンパ管を経て後腹膜腔にある骨盤リンパ節に流れます。さらに傍大動脈リンパ節に流れ,胸管という最も太いリンパ管に入り,頸部で静脈と合流します。 同様に左腕,左上半身,左背部の表層リンパ管は腋窩リンパ節に流れ,そこから頸部リンパ節や鎖骨下リンパ節を経て静脈に合流します。右腕,右上半身,右背部の表層リンパ管は右の腋窩リンパ節に流れ,右の頸部リンパ節や鎖骨下リンパ節を経て右の静脈に流れます。の表層リンパ管は右鼠径リンパ節に流入します。左は左

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