傍5Ⅰ総論 リンパ浮腫診療の基礎知識ぼう原発巣レベルⅠ:わきの下〜小胸筋の外側の範囲レベルⅡ:小胸筋の外縁〜内縁の範囲レベルⅢ:鎖骨下で小胸筋の内縁より内側の範囲図3 腋窩リンパ節・センチネルリンパ節センチネルリンパ節腋窩リンパ節傍大動脈リンパ節:子宮体がん・卵巣がんで切除骨盤リンパ節:子宮頸がん・子宮体がん・卵巣がんで切除鼠径リンパ節:外陰がんで切除図4 婦人科疾患で郭清するリンパ節 特に乳がん手術で確立している概念で,乳がん細胞が乳房からリンパ流に乗ってわきに流れ込む際に最初にたどり着くリンパ節をセンチネルリンパ節といいます。このリンパ節だけを取って調べる手技をセンチネルリンパ節生検といい,がん細胞がいなければ,それより先のリンパ節へはがん細胞が広がっていないと判断します。 センチネルリンパ節は腕からのリンパ流との合流部より手前にあることが多く,センチネルリンパ節を切除するだけであれば,通常の腋窩郭清に比べてリンパ浮腫の発症率や重症化リスクは低いと考えられます。骨盤リンパ節郭清 骨盤リンパ節郭清術は,下腹部の動脈,静脈に沿って張り巡らされているリンパ管とその途中にあるリンパ節を摘出していきます。骨盤リンパ節の一番末梢のリンパ管は,鼠径部にある鼠径リンパ節と繋がっています。骨盤リンパ節を郭清すると,脚から流れてきたリンパ液の中間地点である鼠径リンパ節から先の道がなくなってしまうので,下肢リンパ浮腫の原因となります。大動脈リンパ節郭清 腹部大動脈と下大静脈の周囲のリンパ管とリンパ節を摘出します。上は腎静脈が見えるところまで郭清します。(3)センチネルリンパ節(図3)(4)婦人科疾患で郭清するリンパ節(図4)
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