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熱熱熱水熱2ジュール熱と放電熱切開凝固切開モードと凝固モード電気メスは高周波電流による熱エネルギーで組織の切開または止血(凝固)を行う。図1 電気メスの仕組みのイメージ電子タンパク(組織の蒸散)(蛋白変性と細胞脱水)ジュール熱熱エネルギーには①メス先からの電気(電子)が細胞内を流れることで細胞の内側から発生する「ジュール熱」と②メス先から放電された電子が組織の表面に衝突して細胞の外側から発生する「放電熱」がある。この2種類の熱エネルギーの出力とバランスを制御することによって,電気メスの性能(切れ味と止血力)が決まる。瞬間的に細胞内の水分を蒸発させて細胞を破裂(蒸散)させれば,組織は「切開」される。切開の主役となるエネルギーは「ジュール熱」であるが,切開には瞬時に300℃以上の温度が必要であり,放電による放電圧が必須である。電気メスとは?放電熱一方,細胞の温度上昇がゆっくりであれば,蛋白変性と細胞脱水によって細胞が乾燥して「凝固」が完成される。100℃までの温度上昇であれば白色凝固(white coagulation),200℃を超えると炭化して黒色凝固(black coagulation)となる。組織表面を黒色凝固することによって,深部に白色凝固が形成される。凝固の主役となるエネルギーは「放電熱」である。ただし,後述する「ソフト凝固」は「ジュール熱」のみで白色凝固を完成させる「無放電凝固」である。切開に適した「切開モード」と凝固に適した「凝固モード」がある。共通点はどちらも「放電」を伴うこと。「凝固モード」でもある程度の切開能力を有しており,メス先と生体組織の接触を最小限切開ジュール熱>放電熱凝固放電熱>ジュール熱1-01電気メスジェネレーター

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