図6 遅発期のNSN割合をアウトカムとしたメタアナリシス(3)血糖上昇抑制 血糖上昇抑制を評価した研究は抽出されなかったため,評価不能とした。(4)骨粗鬆症抑制 コホート研究(悪心・嘔吐とアレルギー予防のためにステロイドが使用された消化器がん患者を対象とし,16週後の骨塩密度と骨代謝マーカー推移を評価項目とした単群観察研究)1編9)におけるサブ解析で,ステロイド1日投与群と複数日投与群との比較において骨密度低下(1.9%以下)の発現割合は両群で有意差はなかった〔RD 0.02(95%CI:-0.24‒0.28,p=0.90)〕。 単群研究のサブ解析,対象が消化器がんのみ,軽度または高度催吐性リスク抗がん薬が混在,ステロイド使用量のばらつきあり,ステロイド複数日投与群の投与日数不明,サンプルサイズが小さい,以上のことからエビデンスの強さはD(非常に弱い)とした。エビデンスの強さD(非常に弱い)(1)益のまとめ 「血糖上昇抑制」については抽出論文がなく,「骨粗鬆症抑制」については1編が抽出されたが,益を示す十分なエビデンスは得られなかった。(2)害のまとめ NV割合においてのみ対照群が有意に良好な結果であり,他の項目では対照群が良い傾向を示すものが多かったが,有意差はなかった。(3)患者の価値観・好み 制吐療法で使用されるデキサメタゾンの投与期間は短いものの,患者は,その益と害を制吐効果も含めて重要視している。医療従事者は,益と害について十分な情報提供をするとともに,患者のライフスタイルや価値観を含めて検討すべきと考えられる。(4)コスト・資源 コスト・資源についてエビデンスに基づく評価はできていないが,デキサメタゾンは安価であり,投与期間短縮による得られるコスト・資源の節減効果は大きくはないと考えられる。01益益580 Ⅲ.急性期・遅発期の悪心・嘔吐予防1 DayStudy or SubgroupFurukawa 2015Celio 2019 O+Dvan der Vorst PAL 2020Events292242Total(95%CI)Total eventsHeterogeneity: Tau2=0.00; Chi2=0.27, df=2(P=0.88); I2=0%Test for overall effect: Z=1.45(P=0.15)933 DaysTotalEvents282544Total392760Weight26.4%33.5%40.1%432763126100.0%13397Risk DifferenceIV, Random, 95%CI-0.04[-0.24, 0.16]-0.11[-0.29, 0.07]-0.07[-0.23, 0.09]-0.08[-0.18, 0.03]-1Favours 3 DaysFavours 1 DayRisk DifferenceIV, Random, 95%CI-0.50.5システマティックレビューのまとめ・考察
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