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本CQの背景急性期・遅発期の悪心・嘔吐予防解 説 中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,5‒HT3 受容体拮抗薬とデキサメタゾンによる2剤併用療法を行うが,第1世代の5‒HT3 受容体拮抗薬よりも半減期が長い第2世代のパロノセトロンを選択する場合においては,デキサメタゾンの投与期間を1日のみ投与に短縮(遅発期である2日目以降を省略)することを強く推奨する。なお,第1世代の5‒HT3 受容体拮抗薬を選択した場合のデキサメタゾンの投与期間短縮(ステロイドスペアリング)についてはエビデンスが得られなかった。1 第1世代の5‒HT3 受容体拮抗薬よりも半減期の長い第2世代のパロノセトロンは,単剤投与では第1世代よりも制吐効果が高いことが示されている。このことから,中等度催吐性リスク抗がん薬に対する標準制吐療法である2剤併用療法において,5‒HT3 受容体拮抗薬としてパロノセトロンを選択することにより,遅発期のデキサメタゾンが省略可能かどうか,について研究されてきたため,本CQを設定した。2 本CQでは,中等度催吐性リスク抗がん薬による治療を受ける患者を対象に,デキサメタゾン1日のみ投与とデキサメタゾン3~4日間投与を比較した際の「嘔吐抑制」「悪心抑制」「血糖上昇抑制」「骨粗鬆症抑制」の4項目をアウトカムとして設定し,システマティックレビューを行った。3 本CQに対する文献検索の結果,PubMed 13編,Cochrane 252編,医中誌46編が抽出され,これにハンドサーチ6編を加えた計317編がスクリーニング対象となり,2回のスクリーニングを経て抽出された9編がシステマティックレビューの対象となった。なお,文献の一つに,同じく抽出されているランダム化比較試験のpost hoc解析1)があり,これは予備資料扱いとし,システマティックレビューから除いた。CQ6 77推奨の強さ:1(強い) エビデンスの強さ:B(中)合意率:90.5%(19/21名)アウトカムの設定採択された論文中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,デキサメタゾンの投与期間を1日に短縮することは推奨されるか?推 奨中等度催吐性リスク抗がん薬の悪心・嘔吐予防として,5‒HT3 受容体拮抗薬にパロノセトロンを投与する場合には,デキサメタゾンの投与期間を1日に短縮することを強く推奨する。ⅢCQ6

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