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34標準治療はどのようにして決まるのですか。また,標準治療とガイドラインの関係を教えてください乳がんの分野では数多くの臨床試験が全世界で行われており,毎年国内外で開催される学会で多くの研究結果が報告されています。これらの最新情報をもとに専門家が集まって討議し,その時点で最善であるとコンセンサス(合意)の得られた治療法が「標準治療」となります。そして,それらの合意事項をまとめたものが「ガイドライン(治療指針)」です。日本では,日本乳癌学会が医療スタッフ向けの診療ガイドラインを作成しています。薬物療法,外科療法,放射線療法を扱った「治療編」と,疫学・予防,検診・画像診断,病理診断を扱った「疫学・診断編」の2冊が出版されています。「標準治療」は新しい治療法・より良い治療法が確立されるごとにアップデートされるため,ガイドラインも定期的に改訂されています。この『患者さんのための乳がん診療ガイドライン』も,日本乳癌学会の医療スタッフ向けガイドラインの作成に従事した専門家と看護師,薬剤師,患者さんの代表が集まり,最新情報をもとに標準治療をわかりやすく解説するために編集されたものです。最善の治療を受けるコツは何ですか患者さんの中には最新治療を自分自身で調べ,納得したうえで治療法を決めたいという人もいます。一方,いろいろと調べてもよくわからないし不安になるだけなので,ある程度担当医に任せて決めてほしいという方もいます。どちらが正しくて,どちらが間違いというわけではありません。大切なことは,最終的に自分で納得したうえで治療法を受けることです。そのためには,担当医とよく話し合い,お互いに納得することがとても大切です。そして,よく話し合うためには,担当医との信頼関係,良好なコミュニケーションとともに,いまの自分に対する標準治療が何であるのかを,ある程度理解しておくことも大切です(☞Q6参照)。て安全性と効果を確認します。最初は,少数の人を対象にスタートをし,だんだんと患者さんの数や調べる内容を増やしてどんな人に効果があるのか,副作用は許容できる範囲のものなのかなどを調べていきます(☞Q8参照)。新聞やメディアなどで宣伝される「最先端の治療」といわれるものの中には,実験段階のもの(例えば,実際の患者さんに投与されたことがないか,ほとんどない)が多々混じっています。本当に有効であるといえるか,安全であるといえるかの評価が定まっていないことがあるので,注意が必要です。薬の開発は長い時間と,たくさんの人の関わりがあって実現するものです。「最先端」という言葉に惑わされず,担当医とよく相談し,治療を決めていきましょう。薬の開発の歴史やお話については,日本製薬工業協会ホームページの「くすりの情報Q&A」に掲載されています。歴史などの読み物だけではなく,服薬の注意事項など,知っておきたい基本的な事項もたくさん掲載されていますので,一度目を通しておくとよいでしょう。

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