vi なお,新型コロナウイルス感染拡大の影響で作成委員会の開催を見合わせた時期があり,このために完成が数か月遅れる羽目となった.第6回以降の作成委員会はweb開催となり移動時間が省けるメリットもあったのだが,それまでに対面で会議を重ね人間関係が形成されていなければむずかしい面もあったのではないかと思われる.しかし,現在のメンバーが中心であればwith Corona時代のガイドライン改訂も円滑に進められることであろう.庄委員長を中心に行われた大規模な調査によって改訂のために必要ないくつかのエビデンスが既に出そろい始めていることも申し添える.今後は消化器疾患の診療に関わる多くの医療者の方々に本ガイドラインをご利用いただくとともに,改訂に向けてご意見を賜れれば幸いである. 私にとって,本ガイドラインはがん対策推進総合研究事業の中で自ら最初から完成まですべての行程を見届けることができた唯一のガイドラインである.そこでは作成委員会を重ねるごとに若い作成委員や事務局の方々がMinds診療ガイドライン作成マニュアルに習熟していかれる姿を目の当たりにすることができ,強い感銘を受けた.本ガイドラインの作成に関わってくださった方々は,今後は本ガイドラインの改訂のみならず他のガイドラインの作成においても中心的な役割を果たすことができるものと信じて疑わない.そこに本がん対策推進総合研究事業の真価を見た思いであったことから,後継のがん対策推進総合研究事業は「学会連携を通じた希少癌の適切な医療の質向上と次世代を担う希少がん領域の人材育成に資する研究(2020年度~2022年度)」と名付けた.今後も希少がん対策としてのガイドライン作成やそれに付随する研究を幅広く支援していきたいと考えている.がん対策推進総合研究事業「希少癌診療ガイドラインの作成を通した 医療提供体制の質向上(2017年度~2019年度)」 研究代表者 がん対策推進総合研究事業「学会連携を通じた希少癌の適切な医療の質向上と次世代を担う 希少がん領域の人材育成に資する研究(2020年度~2022年度)」 研究代表者名古屋大学大学院医学系研究科消化器外科学 小寺 泰弘
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