(5)出血所見 bleeding sign(BS)(図58,59)①出血中の所見 湧出性出血(gushing bleeding) :破裂部より大きく湧き出るような出血 噴出性出血(spurting bleeding) :破裂部が小さくjet様の出血 滲出性出血(oozing bleeding) :滲み出る出血②止血後,間もない時期の所見 赤色栓(red plug) :出血から24時間以内の所見 白色栓(white plug) :出血から2~4日後の所見(6)粘膜所見 mucosal finding(MF)(図60)びらん(erosion:E) :認めればEを付記する潰瘍(ulcer:Ul) :認めればUlを付記する瘢痕(scar:S) :認めればSを付記する 2 ) 治療効果判定法 治療効果は以下のごとく記載する。(1)消失(eradication) : 治療によって静脈瘤が消失し,発赤所見も見られない例で,(2)遺残(residue) : 治療の後に静脈瘤のF因子あるいはRC因子が残存した例(3)再発(recurrence) : 静脈瘤がいったん消失(F0,RC0)した例で,経過観察中に(4)再燃(relapse) : 遺残した静脈瘤の経過観察中に,F因子もしくはRC因子の程 3 ) 記載法(1)食道静脈瘤の所見は記載項目L,F,C,RC,BS,MFの順に記載する。(2)記載例(図61)例1. 発赤所見(RWM,CRS)とtelangiectasiaのある結節状の食道静脈瘤で,食道静脈瘤は上部食道まで認められる。 記載法:Ls,F3,Cb,RC3(RWM,CRS),Te例2. 噴出性出血が認められる連珠状の食道静脈瘤で,RC signが限局性に少数認められる。食道静脈瘤は中部食道まで認められる。 記載法:Lm,F2,Cb,RC1(CRS),BS(spurting bleeding)例3. 硬化療法後の血栓化青色静脈瘤(bronze varices)で潰瘍を伴っている。連珠状の形態で中部食道まで認められる。 記載法:Lm,F2,Cb—Th,RC0,Ul注1:Telangiectasiaがある場合はTeを付記する。注2:RC所見の内容(RWM,CRS,HCS)は,RCの後に( )をつけて付記する。注3:F0であっても発赤所見が認められるものは,RC1~3で表現する。F0,RC0と表現する(血栓化静脈瘤もこれに含める)新たにF因子もしくはRC因子が出現した例度が増悪した例7 内視鏡検査 85Ⅲ
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