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64 第2部 食道癌に対する放射線療法および化学療法の効果判定規準はじめに 今回の改訂では,術前治療の重要性が高まっていることを勘案し,食道癌原発巣のCTおよび内視鏡による効果判定規準の追加を行った。原発巣の治療効果が予後に対する影響が大きいこと,術前治療によるCTでの効果判定の標準化の重要性が高まっていることから,今回,多施設でのデータ解析の結果,原発巣も一定の基準を満たす場合に,測定可能病変とみなし,CTでの効果判定規準を策定した。一方,サイズの小さい原発巣の効果判定はCTでは困難な場合があり,内視鏡による効果判定規準の改定の必要性が高まっていた。本規約では内視鏡による原発巣の治療効果判定規準を更新し,原発巣不完全奏効/安定(原発巣non—CR/non—PD)の中に,原発巣著効:原発巣RR(remarkable response)の亜分類を新たに策定した。原発巣RRは組織学的効果と予後を反映することが確認され,臨床的意義が高いと考えられる。さらに,内視鏡によるCR判定後の局所再発の診断基準を新たに策定した。また,近年のPET—CT検査の普及に伴い,PET—CTによる治療効果判定の有用性に関する報告も増加しているが,計測機器,測定条件,患者の状態による検査間の結果が変動する点や,最適な評価指標が定まっていない点を勘案し,現時点では標準化が困難であり,参考所見として記載するにとどめた。将来的にはPETなど機能診断を取り入れた新たなモダリティーによる判定規準が提案され検討されるものと思われる。

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