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 定義:若年者のてんかん発作と関連し,びまん性発育,乏突起膠腫様成分,石灰化,CD34陽性,MAPK経路の活性化変異で特徴づけられる緩徐発育性の大脳腫瘍である。CNS WHO grade 1。 特徴:10~20代の発生が多い。約80%は側頭葉に発生し,多くは右側頭葉の皮質から白質にかけて広がる。てんかん発作を生じる腫瘍で,難治性てんかんをきたす。少なくとも一部は浸潤性の発育を示す腫瘍である。星細胞類似の細胞も含め,多様な形態を呈し得るが,通常,乏突起膠腫様成分を含み,しばしば同成分が目立つ(図2‒39)。ときに腫瘍細胞の血管周囲偽ロゼットがうかがえる。形態異常を示す神経細胞が少数含まれることがある。大半の症例で石灰沈着がみられる。壊死,微小血管増殖はみられない。増殖活性に乏しく,核分裂像はほとんどみられない。免疫組織化学ではOLIG2が陽性,GFAPも種々の類円形核を有する乏突起膠細胞類似の腫瘍細胞を含む膠腫。石灰沈着を伴っている。性度神経上皮腫瘍(図2‒39,40)CD34免疫組織化学。びまん性に陽性である。ゼットと類似している。腫瘍細胞は軟膜直下で柵状に集簇したり,脳実質内にびまん性に増殖したりすることもある。腫瘍中心部の充実性の増殖を示す部分の組織像は「シュワン細胞腫様」と表現されている。上皮様成分を含むことがあり,特に同成分にみられる核近傍の好酸性ドット状構造物は,EMA陽性の微小腔に相当し,上衣細胞性分化と考えられている。核異型は乏しく,核分裂像はほとんど認められない。組織壊死や,微小血管増殖像もみられない。免疫組織化学的には,EMA,GFAP,S‒100蛋白が陽性で,EMA染色では輪状あるいは点状の陽性像がみられる。OLIG2は陰性である。Ki‒67陽性率は低値である。 IDH遺伝子およびH3遺伝子は野生型で,MYBの再構成があり,大半はMYB::QKI融合遺伝子をもつ。 予後は良好で,切除後の再発は極めて稀である。3.Polymorphous low‒grade neuroepithelial tumor of the young若年者多型低悪図2‒39  Polymorphous low‒grade neuroepithelial tumor of the young図2‒40  Polymorphous low‒grade neuroepithelial tumor of the young96  第2部 脳腫瘍診断・病理カラーアトラス

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