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A.Pituitary neuroendocrine tumors of PIT1‒lineage PIT1系統下垂体神経内分泌図4‒1 Pituitary neuroendocrine tumor(PitNET)鍍銀染色で,線維に巻かれるような索状構造を欠き,血管を中心に配列する。症状(頭痛,視力視野障害や下垂体機能低下症)をきたすマクロ腫瘍(または巨大腫瘍)で見つかることが多い。 各組織型は,産生するホルモン別に分類されるが,細胞分化を司る転写因子別に分けられる系統に従い,①PIT1系統下垂体神経内分泌腫瘍(GH,PRL,TSHを産生する細胞の性質をもつ腫瘍),②TPIT系統下垂体神経内分泌腫瘍(ACTH),③SF1系統下垂体神経内分泌腫瘍(ゴナドトロピン),および④系統分化を示さない下垂体神経内分泌腫瘍に大別される。また,⑤多発性下垂体神経内分泌腫瘍,⑥転移性下垂体神経内分泌腫瘍がある。 診断は症状,理学所見,内分泌所見,画像所見(MRI)により行う。各機能性PitNETが引き起こす下垂体内分泌機能障害は分泌するホルモンにより異なるが,先端巨大症/下垂体性巨人症,高プロラクチン血症,下垂体性TSH産生腫瘍,クッシング病の診断基準は厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患政策研究事業 間脳下垂体機能障害に関する調査研究班「間脳下垂体機能障害と先天性腎性尿崩症および関連疾患の診療ガイドライン2023年版」を参照。 基本的に症候例が治療の対象となる。PitNETの治療法には手術(主に経蝶形骨洞手術),薬物治療と放射線治療があるが,腫瘍型により治療戦略は大きく異なる。1.Somatotroph PitNET/adenoma下垂体成長ホルモン細胞神経内分泌腫瘍/成長ホルモン細胞腺腫(図4‒3~8) GHとインスリン様成長因子1(IGF‒1)過剰を引き起こし,先端巨大症(アクロメガリー)を呈し,糖尿病,高血圧などの全身合併症とQOL低下,さらに生命予後に影響する。GHを産生するPitNETはPIT1陽性の複数の組織型からなるが,somatotroph PitNETはGHのみを産生する。約半数にGNAS遺伝子の活性化変異を認める。大多数は孤発例だが,一部は多発性内分泌腫瘍症(MEN)1型,Carney複合(PRKAR1αは原因遺伝子の1つ),家族性アクロメガリー(AIP遺伝子の生殖細胞変異)などに合併する。 Somatotroph PitNETはdensely granulated somatotroph tumor(DGST)と,sparsely 図4‒2 Anterior pituitary gland鍍銀染色で,索状構造が保たれていて,線維に覆われる。腫瘍252  第4部 下垂体腫瘍

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