3章Q&A43Q2検診は毎年受けたほうがよいですか?A1)胃部X線検査2)胃内視鏡検査3)胃がんリスク層別化検診がんのメカニズムは不明です。 胃がんを予防するには,ピロリ菌の感染を予防し(感染した場合は除菌し),塩分の濃い食事を控え,野菜や果物を充分に摂取しましょう。さらに,喫煙や過度の飲酒は控えることも大切です。 発泡剤(胃をふくらませる薬)とバリウム(造影剤)を飲み,胃の中の粘膜を観察する検査です。本検査で胃粘膜に異常を認めた場合には精査目的に,胃内視鏡検査を受けます。1~2年に1回の検診受診となっています。 口または鼻から胃の中に内視鏡を挿入し,胃の内部を観察する検査です。検査時に疑わしい部位が見つかれば,そのまま生検(組織を採取する)を行う場合もあります。2年に1回の検診受診となっています。 萎縮性胃炎のマーカーである血けっ清せいペプシノゲン検けん査さとヘリコバクターピロリ抗こう体たい検けん査さの結果を用いて胃がんのリスク評価を行い,リスクに応じて1~5年に1回の胃内視鏡検査を行う方法です。現時点では,死亡率減少効果を判断する証拠が不十分であるため,対策型胃がん検診として実施することは勧められていません。 日本での胃がんの95%以上がヘリコバクターピロリ(ピロリ菌)感染に伴うものであることを考えると胃がんリスク層別化検診が最も効率的でありますが,血液検査のみでの感染検査では精度が下がることなどの問題点が残っており,いまだ検討が必要な段階となっています。 以上より,対策型検診においては,胃部X線検査または胃内視鏡検査が推奨さ 対たい策さく型がた検けん診しんとは,がんの早期発見・早期治療により対象集団全体のがん死亡率を減少させることを目的に,公的資金を用いて行われる検診です。現在,日本の対策型胃がん検診(住じゅう民みん検けん診しん)では,胃い部ぶXエックス線せん検けん査さまたは胃い内ない視し鏡きょう検けん査さが行われています。「がん予防重点健康教育及びがん検診実施のための指針」(厚生労働省)によると,胃がん検診が推奨される年齢は50歳以上の健常者で,原則として2年に1回行うこととなっています。ただし,胃部X線検査に関しては今までどおり,年に1回の実施も可能となっています。
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