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 PCNSLに対する初発時治療として,生検等による組織診断確定後に,薬物療法による寛解導入療法を行い,完全奏効(complete response/complete response unconfirmed:CR/CRu)が得られた場合,引き続き地固め療法を行う。近年のアプローチとして,寛解導入療法にはCR/CRu割合がより高い多剤併用メトトレキサート(MTX)基盤療法が用いられる(CQ5参照)。 CR/CRu後は,特に高齢者において遅発性中枢神経障害の発症のリスクである全脳照射を待機し,薬物療法のみで地固めをはかる試みが複数のランダム化比較試験で検討されている。現時点で,検証的第Ⅲ相試験による全脳照射待機治療法の優越性・非劣性は示されていない。エビデンス上は全脳照射による地固め療法が標準治療の位置づけにあるが,全脳照射は現在の薬物療法が開発される以前に広く使用されてきた治療法であり,全脳照射後も再発は予防しきれない。一方,大量シタラビン療法(HD‒AraC),あるいは自家幹細胞移植(autologous stem cell transplantation:ASCT)支援大量化学療法(high‒dose chemotherapy:HDC)(HDC/ASCT)などの薬物療法による非照射地固め療法が,ランダム化第Ⅱ,第Ⅲ相試験にて全脳照射と比較し全生存期間(OS)が劣らない結果と,認知機能障害の発生割合が低いことが報告されている1‒3)(レベルⅠb)。 その結果,現在の欧米のガイドラインでは,CR/CRu例に対しての地固め療法として薬物療法または(減線量での)全脳照射が推奨され(National Comprehensive Cancer Net-work:NCCN),60歳以上では非照射が推奨されている(European Association for Neuro-Oncology:EANO)4)(レベルⅢ)。本邦では60歳以上が82%以上を占め,発症年齢中央値が71歳と多くの初発PCNSL患者は全脳照射による遅発性中枢神経障害のハイリスクとなることから5)(レベルⅢ),寛解導入療法でCR/CRu例に対しては,年齢を考慮した上で地推奨1PCNSLに対する治療では,大量メトトレキサート(HD‒MTX)療法を基盤とする薬物療法による寛解導入療法を行うことを推奨する。 〔推奨度1A〕推奨2寛解導入療法後に完全奏効が得られた場合,年齢を考慮したうえで薬物療法,全脳照射による放射線治療,あるいはその併用による地固め療法を行うことを推奨する。 CQ 4  139寛解導入療法:①初発時治療CQ 4PCNSLに対してどのような初発時治療が推奨されるか?解 説〔推奨度1A〕

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