n176172n270266n176172n270266治療ArmRAMPlacebo治療ArmRAMPlaceboRAM:ラムシルマブ,OS:全生存期間,HR:ハザード比,PFS:無増悪生存期間,m:month 現在開発中の検査ベルでのVEGF—D測定法Corgenix assayが開発された。RAISE試験のバイオマーカー解析で用いられ使用可能であった878例の使用可能な血漿検体を用いた同様の解析の結果,測定法の違いによりカットオフ値が異なるものの,VEGF—D高値群(n=313)は低値群(n=565)と比較してラムシルマブとの併用効果を認め〔無増悪生存期間(高値群HR 0.59,低値群HR 0.96)〕,全生存期間でも同様の傾向が認められた(高値群HR 0.78,低値群HR 1.00)2。以上より,RAISE試験単独の結果ではあるものの,治療前血漿中VEGF—D値はラムシルマブの治療効果予測因子になり得る可能性が示唆されている。 ベバシズマブは開発以降,さまざまな効果予測因子が検討されてきたが,現時点で確立された因子は同定されていない。ベバシズマブ併用療法を用いた11試験のメタアナリシスでは,治療開始前VEGF—A(血漿中,腫瘍組織)高値群では全生存期間(HR 1.30,p<0.0001),無増悪生存期間(HR 1.26,p=0.0001)ともに有意に不良であることが報告された3。カペシタビン(±マイトマイシン)に対するベバシズマブ併用の有効性を検証したAGITG—MAX試験におけるバイオマーカー解析では,腫瘍組織におけるVEGF—A,B,C,D,VEGFR—1,2蛋白質の発現とベバシズマブ併用効果について検討が行われ,VEGF—D蛋白質の発現程度だけが多変量解析において,ベバシズマブの効果と有意な交互作用を認めた4。しかし,その後CAIRO—2試験の対照群〔CAPOX(カペシタビン+オキサリプラチン)+ベバシズマブ群〕の腫瘍組織を用いた解析で,VEGF—D蛋白質発現と無増悪生存期間,全生存期間の関連は認められなかった。またFOLFOXまたはFOLFIRI療法に対するベバシズマブ併用とセツキシマブ併用を比較したCALGB80405試験の治療前血漿検体を用いたバイオマーカー解析では,VEGF—D低値群(低値1/4群)で,FOLFOX+ベバシズマブ併用群はFOLFOX+セツキシマブ併用群と比較して全生存期間(HR 0.62),無増悪生存期間(HR 0.59)ともに良好であったが,FOLFIRIとの併用では同様の傾向は認められなかった5。 また,切除不能進行再発大腸がん患者の二次治療としてFOLFIRI+アフリベルセプトの有効性を検証したVELOUR試験の後ろ向きなバイオマーカー解析として,治療前血漿を用いた98の血管新生因子および炎症性サイトカインについて検討が行われ,ベバシズマブ治療OS(m)13.911.50.73VEGF‒D高値PFS(m)HR6.04.20.6279表1a 全生存期間とVEGF—Dの関係VEGF‒D高値HR表1b 無増悪生存期間とVEGF—Dの関係VEGF‒D低値HROS(m)pppp0.002212.613.1VEGF‒D低値PFS(m)HR<0.00015.45.61.320.03441.160.1930そのほかの血管新生因子阻害薬の治療成績と血液を用いた血管新生因子測定の意義
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