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5 投与(実施)しないことを強く推奨する0%(0/13)3 「推奨なし」とする2 投与(実施)することを提案する第3章クリニカルクエスチョンと推奨59 牛車腎気丸の有効性を評価したRCTは5件ある1)~5)。Okiらによる大規模なRCTにおいてオキサリプラチンによるCIPNの予防として牛車腎気丸の有効性をCTCAE v 3.0で示せず,中間解析においてCIPNの発症が介入群で有意に多かったため試験中止となっている。ほかに小規模のRCTは4件あり,オキサリプラチンに対するKonoらの報告ではCTCAE v 3.0で有意差を示せず,Nishiokaらの報告では有意差は認められたものの非盲検(オープンラベル)であった。パクリタキセルに対するKakuらの報告ではCTCAE v 3.0で有意差を示せず,ドセタキセルに対するAbeらの報告では実薬群で有意に神経障害が少なかったものの非盲検であった。牛車腎気丸の有効性を評価したメタ解析では,臨床的に問題となるGrade 2以上の発現率で有意差を認めなかった6)7)。 オキサリプラチンに限定した場合はOkiらの報告が大規模でバイアスリスクも少ないため,本ガイドラインの前身である「がん薬物療法に伴う末梢神経障害マネジメントの手引き2017年版」では「オキサリプラチンによるCIPN症状の予防に牛車腎気丸の投与は推奨しない」と記載した。オキサリプラチンに関しては,その後も推奨を支持するエビデンスの追加はみられない。また,本ガイドラインの検索期間(2021年6月)以降にAoyamaらの報告があり,オキサリプラチンによる神経障害に牛車腎気丸の効果をRCTで示すことはできなかった8)。 以上より,メタ解析およびRCTの一貫した結果から牛車腎気丸の投与によってCIPNの予防効果が得られることが期待できず,投与によりCIPNが増悪する可能性があるため,投与しないことを提案する。ガイドライン統括委員会+作成委員会13名(棄権:利益相反0名・SR 0名)1 投与(実施)す4 投与(実施)しることを強く推奨ないことを提案すするる100%0%(0/13)(13/13)0%(0/13)0%(0/13)CQ1/1.薬物療法による予防1.薬物療法による予防解説投票結果1)牛車腎気丸推奨文CIPN症状(白金製剤由来に限る)の予防として,牛車腎気丸を投与しないことを提案する。4B推奨の強さ:4(弱),エビデンスの確実性:B(中),合意率100%(13/13)

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