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answeranswenswe30CQ7-1術前診断が初発片側男性鼠径ヘルニアの手術治療では鼠径部切開19のランダム化比較試験1-19)の統合結果から複数のランダム化比較試験結果から検討が可能であったアウトカムは再発率,慢性疼痛,臓器損傷率,手術部位感染率,急性疼痛,血管損傷率,術後漿液腫・血腫,尿閉,精巣痛,職場復帰または日常生活復帰期間,術式変更率(conversion rate),手術時間,入院期間であった。 鼠径部切開メッシュ法と腹腔鏡手術の間で,再発率,臓器損傷率,尿閉に有意な差は認められなかった。 腹腔鏡手術は鼠径部切開メッシュ法と比較し,血管損傷率(RR=1.94, 95%CI=1.08-3.48),精巣痛(RR=2.81, 95%CI=1.15-6.87),術式変更率(RR=7.96, 95%CI=1.41-44.81)が有意に高く,手術部位感染(RR=0.33, 95%CI= 0.17-0.66),急性疼痛(RR=0.69, 95%CI=0.50-0.95),慢性疼痛(RR=0.56, 95%CI=0.43-0.74)が有意に少なく,手術時間(平均10.91分, 95%CI=6.43-28.24)は有意に長く,職場復帰または日常生活復帰期間(平均-3.58日, 95%CI=-5.73--1.43,入院期間(平均-0.66日, 95%CI=-2.03--0.71)が有意に短かった。 急性疼痛,慢性疼痛,手術部位感染,早期社会復帰を重視した場合,腹腔鏡手術が有意に優れているが,血管損傷,精巣痛,術式変更率や手術時間の観点に立てば鼠径部切開メッシュ法が有意に優れている。 術式変更率や血管・臓器損傷の観点から腹腔鏡手術を十分習熟した外科医が実施する場合には初発片側男性鼠径ヘルニアに対し腹腔鏡手術は推奨される。全身麻酔が実施できない,開腹手術の影響で強固な癒着がある患者など腹腔鏡手術は推奨されず,患者の状態と外科医の術式への習熟度を考慮した適切な術式を提供することが望ましい。成人-鼠径ヘルニアの外科治療推奨の方向双方を条件付きで推奨する 重大なアウトカムを死亡率,再発率,慢性疼痛,臓器損傷率,患者満足度,手術部位感染率,急性疼痛,血管損傷率,重要なアウトカムを術後漿液腫・血腫,尿閉,精巣痛,性機能障害,対側病変治療率,職場復帰または日常生活復帰期間,術式変更率(conversion rate),手術時間,入院期間として検討を行った。解説エビデンスの確実性中 ⊕⊕⊕⊖メッシュ法と腹腔鏡手術のどちらが推奨されるか?腹腔鏡手術を十分習熟した外科医が実施する場合には初発片側男性鼠径ヘルニアに対し腹腔鏡手術は推奨される。全身麻酔が実施できない,開腹手術の影響で強固な癒着がある,など腹腔鏡に適さない患者に対し鼠径部切開メッシュ法が推奨される。成人-鼠径ヘルニアの外科治療

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