1 術後補助化学療法は,術後8週頃までに開始することが望ましい。2 Stage Ⅲ結腸癌を対象としたOX併用療法は,欧米で実施された3つのランダム化比較試験にて,5–FU+l–LVと比べて有意な再発抑制および予後改善効果が確認された1–3)ことから推奨される(推奨度1)。一方,UFT+LVおよびCapeは5–FU+l–LVに対する非劣性が示され4),S–1はUFT+LVに対する非劣性が示されている5)(推奨度2)。一方で,S–1のCapeに対する非劣性は示されなかった6)。(CQ 6)3 Stage Ⅲ結腸癌を対象とした術後補助化学療法における,OX併用療法の投与期間が,本邦のランダム化比較試験(ACHIEVE試験)を含む6つのランダム化比較試験の統合解析で比較された。3カ月投与群は,全対象では6カ月投与群に対する非劣性が示されなかったが(IDEA collaboration)7),CAPOX投与例では,特に再発低リスク例において6カ月投与群と同程度の再発抑制効果を示した。ACHIEVE試験でも,3カ月投与群と6カ月投与群の3年無病生存率は同程度であった8)。感覚性末梢神経障害の発現は3カ月投与群で有意に少なかった9)。(CQ 6)4 直腸癌を対象としたupfront surgery後の補助化学療法は,結腸癌と比べてエビデンスが少ないものの,抗癌薬の効果は結腸癌と大きく異ならないと考えられることから,結腸癌のエビデンスも参考にして実施する。(CQ6)5 Stage Ⅱ結腸癌を対象とした術後補助化学療法において,UFT単独投与(1年間)は手術単独と比べて有意な再発抑制効果は本邦のランダム化比較試験で示(5)重篤な術後合併症(感染症,縫合不全など)がない。・Stage Ⅲ大腸癌には,術後補助化学療法が推奨される。(CQ 6)・再発リスクが高いStage Ⅱ大腸癌には,術後補助化学療法の適応を考慮する。(CQ 7)・高齢者での適応についてはCQ 8を参照。・遠隔転移巣切除後への補助化学療法の適応については,CQ 21,CQ 22を参照。・周術期薬物療法実施前のバイオマーカー検査については,CQ 9を参照。CAPOXFOLFOXcapecitabine(Cape)5‒FU+l‒LVUFT+LVS‒1フッ化ピリミジン(FP)単独療法コメント38 各 論oxaliplatin(OX)併用療法(CQ 6)レジメン臨床試験において有用性が示され,本邦で保険診療として使用可能な術後補助化学療法レジメンは以下のとおりである。投与期間・投与期間6カ月を原則とする。
元のページ ../index.html#8