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1 組織型 43b. 腺腫成分を伴う癌(carcinoma with adenoma):癌成分が腺腫成分と同等量かそれより多く認められるもの。2.1 腺癌 Adenocarcinoma2.1.1 乳頭腺癌 Papillary adenocarcinoma(pap)2.1.2 管状腺癌 Tubular adenocarcinoma(tub)2.1.3 低分化腺癌 Poorly differentiated adenocarcinoma(por)注: 低分化腺癌においては,癌細胞が単純充実性ないし敷石状で,膨張性発育するものを充実型に,癌細胞が小管腔状,小充実胞巣状,索状,あるいは個々バラバラであり,びまん性に浸潤するものを非充実型に細分類する。2.1.4 粘液癌 Mucinous adenocarcinoma(muc)2.1.5 印環細胞癌 Signet—ring cell carcinoma(sig)2.1.6 髄様癌 Medullary carcinoma(med)組織学的に乳頭構造や腺管構造をとるか,粘液産生を示す癌細胞からなる悪性腫瘍。癌が主として円柱上皮や立方上皮からなり,乳頭状構造をとるもの。絨毛構造や鋸歯状構造をとる癌などがこれに含まれる(図 32)。大型~中型の明瞭な管状構造からなるものを高分化管状腺癌,篩状構造や小型の管状構造からなるものを中分化管状腺癌とする。2.1.2.1 高分化 Well differentiated(tub1)(図 33)2.1.2.2 中分化 Moderately differentiated(tub2)(図 34)管腔形成が乏しいもの。また,管腔形成がなくとも細胞内粘液が陽性のもの。これには非充実性と充実性の発育様式を示すものがある。2.1.3.1 充実型 Solid type(por1)(図 35)2.1.3.2 非充実型 Non—solid type(por2)(図 36)主として細胞外に多量の粘液を産生し,粘液の結節を形成する癌である。これには,高分化腺癌(乳頭腺癌,高分化管状腺癌,中分化管状腺癌)に由来する高分化粘液癌と,低分化腺癌(非充実型低分化腺癌,印環細胞癌)に由来する低分化粘液癌とがある(図 37)。主として細胞内に粘液が貯留し,癌細胞は印環状を呈するが,管腔形成は認められないか極めて乏しい癌である。粘液組織化学的ばかりでなく,超微形態的にも癌細胞は腸の杯細胞に類似点が多い。著明なリンパ球浸潤を伴って好酸性胞体と明瞭な核小体を有する細胞がシート状に配列,増殖する腺癌である。

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