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*Union for International Cancer Control/American Joint Committee on Cancer病理診断I.組織分類の方針  7141.2015年のWHO分類に比べて,分子生物学をより重視している。2.生検組織の診断名についてより網羅的に記した章を設けている。3. 浸潤の程度(AIS/MIA)とともに,大多数を占める腺癌を浸潤性非粘液性腺癌としてまとめ,その中に組織学的パターンによるサブカテゴリーを設ける形にした。4.浸潤性非粘液性腺癌の組織学的パターンを利用して新たなグレード分類を適用した。5.リンパ上皮癌が扁平上皮癌の一型と再分類された。6.肺神経内分泌腫瘍の分類を他の臓器と調和のとれた対応について記載を加えた。7. 細気管支腺腫/繊毛性粘液結節性乳頭状腫瘍(BA/CMPT)を腺腫サブグループ内の新たな疾患単位として組み入れた。8. Thoracic SMARCA4‒deficient undifferentiated tumorを他の腫瘍のカテゴリーとして組み入れた。9.各腫瘍において必須および望ましい診断基準を明確にした。10.「定義と解説」から中皮腫を除いた。11. 「切り出しマニュアル」の項で縮小術に対応した記載を追加した。また,切除マージンまでの距離を標準的に病理記載に含めることにした。12.細則を含め,「病理記載」をTNM分類第9版に対応した。13.「病理学的効果判定基準」(第8章)を国際的な標準に準拠した。附記・ 肺癌以外の肺腫瘍については一部の疾患を除き,分類表への記載にとどめた。・ 肺においてはElastica van Gieson(EVG)染色やElastica Masson染色などの弾性線維染色は情報量が多く,胸膜や脈管侵襲だけでなく,腺癌の浸潤の判定にも有用である。診断のポイントとなる標本ではHE染色とEVG染色の併用が望ましく,その所見を記載するとともに図譜に加えた。・ 取扱い規約第8版と同様,腫瘍径の測定はきわめて重要である。UICC/AJCC*マニュアルによる一般的ルールでは未固定の外科切除標本で測定するとなっており,また規約第7版までは置換性増殖を含めた病変全体を腫瘍径としており,いずれにせよ肉眼的測定であった。しかし,TNM分類の改訂によって浸潤径をもって腫瘍径とすることとなったため,特にAIS(pTis)やMIA(pT1mi)の判定は詳細な組織観察後の測定が必要となる。また最大径の選択には固定後に複数の割面を観察する必要があることから,通常はホルマリン固定後の切り出し時に全体の肉眼的大きさ(3方向)を測定し,そのうえで組織学的浸潤径を測定し,両方を記載する。迅速診断や新鮮検体採取による欠損が生じている場合や画像所見との乖離がある場合には高分解能CT画像などによる臨床での測定値を参考にしてもよい(VI.切除標本における病理記載の項を参照)。

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