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肺癌 Ⅱ.非小細胞肺癌(NSCLC)3%(1/40)(5/40)(34/40) 4.周術期  153行わないことを強く推奨0%*T3(invasion satellite or nodule)とT4(invasion or ipsilateral lung nodules)は除く。HR 0.82(95%CI 0.57—1.19)であった3)。TNM分類の第7版への改訂に伴い,腫瘍径が2 cm以下の患者群と>2 cmかつ3 cm以下の患者群に分けてサブグループ解析が実施され,腫瘍径>2 cmかつ3 cm以下の患者群において6%(82%→88%)の5年生存率の改善,HR 0.62(95%CI 0.42—0.90)と良好な結果を示した4)。なお,肺癌取扱い規約第8版では,「病変全体径」とは高分解能CTによるすりガラス成分と充実成分を合わせた最大径を,「充実成分径」とは充実成分の最大径を表し,pT分類では浸潤性増殖を示す部分の最大径を「充実成分径」に置き換えて分類を行う。しかし,上記の臨床試験におけるpT分類は浸潤部分の最大径ではなく,非浸潤部分を含めた腫瘍径で評価されていることに留意する必要がある。これらの臨床試験の登録期間である1985~95年には,高分解能CTの普及が一様ではなく,TNM分類第8版におけるT1miのように,主に肺胞置換型増殖を示す症例の多くは臨床試験に組み入れられていないと考えられ,この群については術後補助薬物療法の意義は不明である(TNM分類9版と以前の版との読み替えについては本項「総論」を参照)。 以上より,病変全体径>2 cmの術後病理病期ⅠA3—ⅢA期(N0)(第9版)の完全切除,腺癌症例に対してUFT療法を行うよう勧められる。エビデンスの強さはA,また総合的評価では行うよう強く推奨(1で推奨)できると判断した。なお,術後病理病期Ⅰ期(腺癌)の完全切除例では手術単独でも74%が無再発であり,薬物療法の安全性を十分考慮すべきである。下記に,推奨度決定のために行われた投票結果を記載する。投票者の所属委員会:外科療法小委員会・放射線治療及び集学的治療小委員会・薬物療法及び集学的治療小委員会/実施年度:2018年解 説 75歳以下のⅠ—Ⅲ期非小細胞肺癌を対象にCDDP+VDS+UFT併用療法とUFT療法,手術単独の3群について比較試験が行われ,5年生存率でUFT群は64%と,手術単独群の49%と比し有意に良好であった1)。その後,他の臨床試験を加えて行われたメタアナリシス(2,003症例;腺癌84%,非腺癌16%)の結果,全体で5%(77%→82%)の5年生存率の改善を認め,UFT療法の有効性が確認された。組織型別にみると,腺癌においてHR 0.69(95%CI 0.56—0.85)に対し,扁平上皮癌においてはHR 0.82(95%CI 0.57—1.19)であった3)。TNM分類の第7版への改訂に伴い腫瘍径2 cm以下の患者群と>2 cm行うことを強く推奨85%行うことを弱く推奨推奨に至る根拠が明確ではない13%行わないことを弱く推奨0%〔推奨の強さ:2,エビデンスの強さ:C〕病変全体径>2 cmの術後病理病期ⅠA3—ⅢA期(N0)(第9版)*完全切除,非腺癌症例に対してテガフール・ウラシル配合剤療法を行うよう弱く推奨する。  CQ26. 病変全体径>2 cmの術後病理病期ⅠA3—ⅢA期(N0)(第9版)*完全切除,非腺癌症例に対して,テガフール・ウラシル配合剤療法は勧められるか?推 奨

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