A 手 術ab 非治癒手術 治癒手術における定型手術と非定型手術D1+など)。ンパ節郭清を行う拡大郭清手術。1)定型手術 主として治癒を目的とし標準的に施行されてきた胃切除術法を定型手術という。胃の2/3以上切除(噴門側胃切除術を除く)とD2リンパ節郭清を行う(リンパ節郭清の定義はⅡA—❸(p. 19)を参照)。2)非定型手術 進行度に応じて切除範囲やリンパ節郭清範囲を変えて行う非定型手術には,縮小手術と拡大手術がある。 (1)縮小手術: 切除範囲やリンパ節郭清程度が定型手術に満たないもの(D1, (2)拡大手術: ① 他臓器合併切除を加える拡大合併切除手術,② D2を超えるリ 治癒が望めない症例に対して行う手術で,その目的から緩和手術と減量手術に分けられる。1)緩和手術(姑息手術:palliative surgery) 治癒切除不能症例における出血や狭窄などの切迫症状を改善するために行う手術で,Stage Ⅳ症例に対する日常診療としての選択肢の一つである。腫瘍による狭窄や持続する出血に対し,安全に胃切除が行える場合は姑息的胃切除が行われるが,切除が困難または危険な場合には胃空腸吻合術などのバイパス手術が行われる。幽門狭窄を有する症例に対する外科的介入はQOLを維持し,経口摂取の改善につながること1),QOLが維持された症例では良好な予後が得られることが報告されている2)。2)減量手術(reduction surgery) 切除不能の肝転移や腹膜転移などの非治癒因子を有し,かつ,出血,狭窄,疼痛など腫瘍による症状のない症例に対して行う胃切除術をいう。腫瘍量を減らし,症状の出現や死亡までの時間を延長するのが目的であるが,日韓合同のランダム化比較試験(REGATTA試験)3)では減量手術の延命効果は認められず,全身化学療法が施行可能な症例では,これを行わないことが強く推奨される。16 Ⅱ章 治療法 1 手術の種類と定義
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