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  クリニカル・クエスチョン(CQ) MEDLINEで“Gastric cancer”,“Stomach neoplasms”,“Gastrectomy”,“Laparoscopy”,“Stage Ⅰ”,“Stage Ⅱ”,“Stage Ⅲ”,“QOL”,“distal/total gas-trectomy”,“Length of stay”,“Postgastrectomy syndrome”のキーワードで検索した。Cochrane Libraryについては,「胃癌」の疾患概念を包括的に検索する1式を用いて文献検索を行った。上記のキーワードにて1,127編(Cochrane Library 841編,MEDLINE 286編)が抽出された。これにハンドサーチ8編を加えた1,135編について,システマティックレビューを行った。一次スクリーニングで294編,二次スクリーニングで103編の論文が抽出された。定性的システマティックレビューに含めた件数は,このうち14編であった。 幽門側胃切除術(DG)における長期成績(再発率)については6つのランダム化比較試験(RCT)の報告[1‒6]があり,腹腔鏡下幽門側胃切除術(LDG)は開腹幽門側胃切除術(ODG)に非劣性であることが示され,サンプルサイズも十分である。5試験はDGのみ[1‒5],1試験は全術式が含まれておりDGは60%であった[6]。JCOG0912試験[1]およびKLASS01試験[2]では登録症例の大半がStage ⅠAである。6つのRCTともに,再発率に有意な差はなく,再発形式も明らかな差を認めず,LDGによる再発率の増加はないものと考えられる。進行胃癌のみの解析においても,再発率の増加を認めなった[3‒6]。 サブグループ解析では,JCOG0912試験においてBMIが25 kg/m2以上の群で有意差はないものの無再発生存がやや悪い傾向にあったが[1],JLSSG0901試験では差がなかった[4]。一方JLSSG0901試験では臨床病期および病理病期ともに深達度T4a56  Ⅲ章 資料 クリニカル・クエスチョン(CQ)重要臨床課題1低侵襲手術の適応CQ1—1推奨文標準治療の選択肢の一つとして腹腔鏡下幽門側胃切除術は行うことを強く推奨する。〔合意率100%(10/10),エビデンスの強さA〕cStage Ⅰ胃癌に対する胃全摘術,噴門側胃切除術は行うことを強く推奨する。〔合意率78%(7/9),エビデンスの強さC〕いずれの術式も,日本内視鏡外科学会技術認定取得医ないしは同等の技量を有する術者が行う,あるいは同等の技量を有する指導者のもとで行うことを推奨する。解説切除可能な胃癌に対して,腹腔鏡下手術は推奨されるか?(ロボット支援手術についてはCQ1—2を,進行胃癌に対する腹腔鏡下胃全摘術はCQ1—3を参照)

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