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第3章 113 度が非常に高い 2)。 手術方法はVHL関連腎癌,BHD関連腎癌,HPRCは最小の切除断端での核出術を行い腎摘除は回避する。□□□□関連腎癌,HLRCC,PPGL関連腎癌では,切除断端を大きく確保し,切除断端が確保できない時は腎摘を行うが,HLRCCでは術後の局所再発が問題となることがしばしばあり,必要に応じて開腹手術と大量の生理食塩水による創洗浄を組み合わせる 2, 3)。上記以外の遺伝性腎腫瘍については,原則として孤発例に準じて治療を行うが,遺伝性腎腫瘍の中でも特に頻度が低いものについては,日々,経過観察方法や治療法についての情報が更新されることに留意されたい。 有転移症例では,原則として保険適用となっている腎癌治療薬を用いるが,それぞれの原因遺伝子の機能への理解が重要である 2)。現在,保険適用となっている腎癌薬物療法において標的となっている経路は,低酸素応答,mTOR経路,免疫チェックポイントであり,低酸素応答に関連する遺伝子として□□□,□□,□□□□,□□□□,□□□□が,mTOR経路に関連する遺伝子として□□□□,□□□□,□□□□,□□□□が挙げられる 2)。また□□□□,□□□□,□□□□,□□□□,□□□□□などのMMR遺伝子は腫瘍遺伝子変異量(TMB)に関連するため,免疫チェックポイント阻害薬の効果と相関する。今後も腎癌関連遺伝子の機能解析から,腎癌薬物療法の効果を予測する方法や効果を高める方法の開発を進める必要がある。■参考文献 1) National Comprehensive Cancer Network. NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology(NCCN Guidelines Ⓡ)Kidney Cancer Version 3. 2024. https://www.nccn.org/professionals/physician_gls/pdf/kidney.pdf 2) 蓮見壽史,浜之上はるか.泌尿器腫瘍の監視療法のすべて ④遺伝性腎癌.泌尿器外科.2023;36(11):1196-202. 3) Ball MW, An JY, Gomella PT, et al. Growth Rates of Genetically Defined Renal Tumors:Impli-cations for Active Surveillance and Intervention. J Clin Oncol. 2020;38(11):1146-53. [PMID:32083993] 11 腎臓 4 4 薬物療法

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