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Q11第2章 BQ135ント」「薬剤感受性予測が必要なクライエント」にはMGPTを特に推奨する。「遺伝性腫瘍症候群と診断された者の血縁者(がん未発症,がん既発症共に)」にもMGPTの実施が考慮される。MGPTの対象は必ずしも特定の集団に限定されるものではなく,がん発症の有無を問わず検査の意義(利点と留意点)を理解し受検の意思を有する人すべてが対象であるといえる。 一般的に遺伝性腫瘍症候群を疑う表現型として, ・多発・多重がんの既往がある ・特徴的な組織型,遺伝子不安定性(MSI,HRD)のあるがん既往がある ・希少がんの既往がある ・若年発症がんの既往がある ・特定のがんの家系内集積がある(家族歴がある)などが挙げられ,遺伝学的検査による診断が考慮される。近年,海外では遺伝性腫瘍症候群の診断には,さまざまな浸透率のがん易罹患性遺伝子を含むMGPTを用いる手法が増加している。 MGPTは,がん発症者,未発症者の区別なく,既往歴や家族の病歴などの表現型からでは予測し得ない遺伝性腫瘍症候群を検出し得る,効率的な遺伝学的検査の手法と考えられる。MGPTの実施にあたっては,検出されるバリアントがリスク因子かどうかを検討できるためにも,出検から結果報告までが適切に管理され,検査精度が保証された環境下での実施が考慮される。 既往歴や家族歴などの表現型から遺伝性腫瘍症候群家系を疑うがん罹患者における遺伝学的検査としてMGPTを選択することで,遺伝性腫瘍症候群検出の可能性は向上する。MGPTによるGPVの検出率は,日本でのがん種ごとの大規模症例対象研究・コホート研究による複数のがん易罹患性遺伝子解析の各種報告が参考になる 1-11)(表2-1)。ステートメント 「表現型から遺伝性腫瘍症候群が疑われるクライエント」「予防介入を検討するクライエ背景解説「遺伝性腫瘍症候群家系を疑う表現型を有するがん罹患者」を対象にしたMGPTによる遺伝性腫瘍症候群の診断 1 1 Bどのようなクライエントが 遺伝性腫瘍症候群の診断のための MGPTの対象となるか?

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