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版.金原出版,2025.とが求められる。 1) 日本乳癌学会編.臨床・病理 乳癌取扱い規約 第 19 2) 日本乳癌学会編.乳癌診療ガイドライン 2022 年版 WEB 版.金原出版,2022.https://jbcs.xsr v.jp/guide line/2022/(2025 年 4 月 28 日アクセス) 3) Statistics, Graphs and Definitions. Office of Cancer Sur-vivorship, The National Cancer Institute; https:// cancercontrol.cancer.gov/ocs/statistics#definition- survivorship(2025 年 4 月 28 日アクセス)学びのポイントキーワード(坂東裕子)220 第 3 章 治 療① 遠隔転移を伴う進行・再発乳癌は,治癒が困難であり,治療の目的は生存期間の延長,病勢進行に伴う機能喪失や症状発現の回避・遅延,出現している症状の改善,高い QOL の維持である。② 進行・再発乳癌の治療は薬物療法を主体とした集学的治療が基本となる。③ ガイドラインでは転移・再発乳癌の一般的な治療方針は示されているが,高齢者や中等度以上の併存症を有する症例,重複癌を有する場合など,臨床試験におけるデータが比較的乏しく,治療方針が確立されているとはいえない場合もある。④ 新規抗癌薬,コンパニオン診断薬,ゲノム検査等が次々と開発されている。医療者には最新の状況を把握し,臨床に役立てていく姿勢が求められる。予後,集学的治療,個別化医療,多職種,shared decision making,advance care planning,緩和医療 患者の年齢や併存症等により,平均余命はそれぞれ異なる。判明した進行・再発乳癌により期待される余命よりも予後が短くなる可能性,あるいは症状の発現や進行により QOL の低下をきたす可能性,そして治療によりどの程度の効果を期待可能かを評価する。進行・再発乳癌の治療は薬物療法を主体とした集学的治療が基本となるが,加齢,併存症や併用薬,全身状態に伴い薬物動態にさまざまな影響が生じる。薬剤の選択は候補治療薬のなかから毒性プロファイルと患者特性を考慮し判断する。がん薬物療法の有害反応はときに重篤であり,進行固形癌に対する薬物療法の治療関連 死 亡 率 は 1% と さ れ る が, こ れ ら は per for-mance status(PS)が良好で,中等度以上の臓器障害がない人を対象としたデータである。 かつてホルモン受容体陽性乳癌治療のアルゴリズムでは life‒threatening の場合,化学療法の適応a.全身状態の評価【参考文献】B. 進行・再発乳癌治療の プランニング

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