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7127-1.NSAIDsの副作用7-2.オピオイドと鎮痛補助薬  その他の副作用として,Na保持あるいは腎性よる高血圧,GFR低下による腎障害や浮腫(特に高齢者),血小板凝集能低下,心血管系障害,肝障害,喘息などが挙げられ,注意が必要である。以下に併用禁忌,併用注意を示す。1) ニューキノロン系抗菌薬(バクシダール®,タリビッド®など)との併用では痙攣に注意する。  経口非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)は高率に胃粘膜傷害を引き起こすことがわかっている。胃潰瘍の既往,65歳以上の高齢者,高用量のNSAIDsまたは多剤の併用,ステロイドの併用,抗凝固薬の併用を行っている場合などハイリスク患者では抗潰瘍薬の併用を考慮すべきである。 消化性潰瘍診療ガイドライン(改訂第2版)2)によると,NSAIDs潰瘍予防に有効性が確認されているのは1)プロスタグランジン(PG)製剤(ミソプロストール),2)プロトンポンプ阻害薬(PPI),3)常用量の倍量H2受容体拮抗薬(ガスター® 80 mg⊘日)である。いずれも潰瘍の一次予防における投薬は保険適用となっていないが,NSAIDs潰瘍再発予防に対してPG製剤とPPIは認められている。ミソプロストールは下痢などの副作用が高頻度(10~20%)に認められるのと,若い女性や妊娠の可能性がある場合は流産を起こす危険性があるので禁忌となっている。常用量の倍量H2受容体拮抗薬は通常の消化性潰瘍でも現時点では使用が認められていないので現状では処方が困難である。PPI併用投5) リチウム:リチウム中毒に注意する。 痛みは,1)外傷や術後疼痛などの急性痛,2)がん性疼痛,3)慢性疼痛を含めた非がん性疼痛の3つに分けて考え対処法を決める1)。 ここでは,痛みに対して一般的に主に使用する非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の副作用とがん性疼痛や難治性疼痛に対する薬物療法について概説する。与はNSAIDs潰瘍やその再発抑制に対して他の2剤に比べて同等以上の治療効果を示すことが報告されていることから第一選択薬として推奨されている3,4)。2) メトトレキサート(MTX):毒性亢進の危険性がある。3) ワルファリン:出血時間延長に注意する。4) 経口糖尿病薬(トルブタミドなど)との併用による低血糖発作に注意する。 がん性疼痛の治療は,オピオイドの使用が中心になるが,最近では非がん性慢性疼痛に対して使用することも多くなってきている。後述するneuropathic pain(神経障害性疼痛)に対しては以前はオピオイド抵抗性とされてきたが,有効との報告もある。 非がん性慢性疼痛に対するオピオイドの使用方法はがん性疼痛に対するものと基本的異なることを理解しておく必要がある。非がん性疼痛に対しては,モルヒネ換算で1日60 mg(最大でNSAIDs潰瘍の予防と対策その他の副作用・併用注意痛み関連の症状に対する薬物療法

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