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60文 献 1) Garcia-Elias M:Evidence based? Eminence based? We need both. J Hand Surg Eur Vol 2017;42:447. 2) Del Piñal F, Jupiter JB, Rozental TD, et al:Distal radius fractures. J Hand Surg Eur Vol 2022;47:12-23. 3) Shapiro LM, Kamal RN;Management of distal radius fractures work group:Distal radius fracture clinical practice guidelines─updates and clinical implications. J Hand Surg Am 2021;46:807-811. 4) 日本整形外科学会・日本手外科学会(監修),日本整形外科学会診療ガイドライン委員会・橈骨遠位端骨折診療ガイドライン策定委員会(編集):橈骨遠位端骨折診療ガイドライン2017(改訂第2版).東京:南江堂;2017. 5) 森谷浩治:固定肢位の考え方と実際─手関節中間位〜掌屈位固定.斎藤英彦,森谷浩治編.橈骨遠位端骨折─進歩と治療法の選択.第1版.東京:金原出版;2010.p105-109. 6) 森谷浩治:橈骨遠位端粉砕骨折の治療戦略.一般社団法人日本骨折治療学会編.日本骨折治療学会第8回アドバンスコーステキスト.東京:全日本病院出版会;2016.p28-31. 7) Obata H, Naito K, Kaneko A, et al:Clinical outcomes in distal radius fractures accompanied by volar lunate facet fragments:a comparison between dorsal and volar displaced fractures. J Hand Surg Asian Pac Vol 2020;25:417-422.PLPによる内固定などの積極的な治療法を選ぶべきである。筆者の臨床研究から,橈骨遠位端骨折やその治療に起因する手指腱断裂の再建術の成績にとって,「骨折に対して保存療法が実施されていたこと」は有意な負の影響因子になっていた(表Ⅱ-1.1)15)。また,保存療法後の腱断裂に至らない許容範囲内の変形治癒であっても,掌側に突出した尺骨頭により屈筋腱腱鞘滑膜炎が生じて手根管症候群をきたし,骨折の受傷から40年以上経過した90歳超の高齢者に手術療法を必要とすることも少なくない。これらの事実を踏まえると,橈骨遠位端骨折の初回受傷時にいかに適切な治療を実施するかが大切といえる。橈骨遠位端骨折の保存療法から屈筋腱断裂に至るまでの平均期間は538.3週,つまり約10年であり15),2019年のわが国において平均余命が10年未満となる人は男性が80歳以上,女性が85歳以上であること16)を考慮すると,規範主義の立場からは社会経済的状況や併存症が許すのならば,80歳未満の全ての男女に対して手術療法,主としてPLP固定を薦めてもよいのかもしれない。また,高齢者であっても本人を置き去りにした治療法の決定はすべきでなく,患者自身がそれに参加できるよう支援し,決定過程を共有することは重要である。実際,患者は治療法決定において能動的な役割を担うことを好み,ほとんどの橈骨遠位端骨折の高齢者も自身の治療方法を決める過程を共有することに好意を示している17)。 (森谷浩治)表Ⅱ-1.1 橈骨遠位端骨折に伴う腱断裂再建術後の自動可動域不良の影響因子多変量解析では骨折に対する保存療法と再建時の年齢が影響因子となっていた。影響因子保存療法年齢標準化回帰系数−0.2822−0.3344標準誤差標準化回帰系数の95%信頼区間3.24940.1214−15.4450〜−2.5043 −0.6387〜−0.1555P値0.00720.0016

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