30144T
5/13

2 染色体異常のスクリーニング検査⿟ 母体年齢が高いほどダウン症候群の可能性が高い1)(図1)⿟ NT(胎児後頸部透亮像)の肥厚があるとダウン症候群の可能性が高い2)(図2)ということはよく知られている。その他にもダウン症候群らしさ/らしくなさを示唆する所見が複数あり,それぞれにおいて尤度比(likelihood ratio;LR)(どのくらいダウン症候群らしさが上昇/減少するか)がわかっている。それらを組み合わせることで,胎児がダウン症候群をもつ可能性を,高い精度で算出するのがコンバインド検査である。まったく同様の原理にて,18トリソミー,13トリソミーの確率も得ることができる3)。ダウン症候群の割合妊娠初期のコンバインド検査について,その基本的な原理を学ぶ。また,実際に診療を行う上で必要な登録事項,有用なツールを紹介する。271/9462025301/24935402 染色体異常のスクリーニング検査1)妊娠初期の検査:NT計測とコンバインド検査1/161/21(歳)45(文献1より)コンバインド検査はあくまでも確率検査であり,確定診断ではない。検査結果をもとにカウンセリングを行い,さらなる検査をするか否かを決定する必要がある。コンバインド検査の「感度」が記載されているテキストが見受けられるが,ハイリスクと捉えるカットオフ値によって感度は変化するため,検査固有の感度というものは存在しない4)(図3)。図1 妊娠12週におけるダウン症候群頻度と母体年齢の関係1. コンバインド検査の基本原理第2章 出生前検査・診断の実践1)妊娠初期の検査:NT計測とコンバインド検査

元のページ  ../index.html#5

このブックを見る