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TMP:TMP図1 胎児頭部矢状断面の構造図2 二分脊椎(脊髄髄膜瘤)症例の頭部矢状断面におけるITの消失1980年代には,二分脊椎の発見のための検査は,母体血清マーカーでAFPを計測することで高リスクケースを抽出し,確認検査として羊水穿刺を行い,羊水中のAFPとアセチルコリンエステラーゼを計測することが主流であり,超音波診断での検出率は低かった。しかし,Nicolaidesらが見出した,レモンサイン(lemon sign)とバナナサイン(banana sign)によって,妊娠16〜23週における超音波による胎児頭部の観察が,これらの検査にとって代わるようになった3)。ここで観察される変化は,二分脊椎(脊髄髄膜瘤)によって生じる脳幹および小脳の下垂であるキアリⅡ型奇形を反映したものであり,この変化(位置の移動)を,より早期に検出する方法が,intracranial translucency(IT)の観察であるといえる。通常,ITは,脳幹(橋)と大槽との間のスペースとして認識され,それぞれの境界は高輝度エコーで明瞭に分割される。この場所は,第四脳室に相当し,後方の高輝度領域は脳室壁に接した脈絡叢である。二分脊椎のケースでは,脳幹および小脳の偏位の結果,ITが消失する(図1,図2)。80後頭骨第四脳室の脈絡叢T:間脳(視床),M:中脳,P:橋,MO:延髄,NT:nuchal translucencyIT(intracranial translucency)は,前後を高輝度な境界に挟まれている無エコー領域で,第四脳室に相当する。第四脳室の脈絡叢口蓋下顎将来の大槽NTMOMO第2章 出生前検査・診断の実践

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