Key point Flowchart 不育症に対するスクリーニングStep 1 Step 2 Step 3 80*流産の90%以上は12週未満(主に10週未満)の早期流産が占め,全妊娠の10~20%に認められる。*妊娠するが2回以上の流死産を繰り返して結果的に生児を得られない場合を不育症と呼ぶ。*妊娠10週以降の流死産で胎児に染色体異常や形態異常のない場合は(1回でも),不育症に準じて検査を行ってもよい。*妊娠初期における流産の原因の80%は受精卵の染色体異常であり,不育症検査で母体の異常が指摘されるのは35%程度である(図1)。妊娠・流産歴および家族歴の詳細な問診により,必要な検査を想定する。一次スクリーニング検査・選択的検査を提案する。▶一次スクリーニング検査:子宮形態検査(3D超音波を推奨),内分泌検査(TSH,fT4,抗TPO抗体およびHbA1c,随時血糖),夫婦染色体検査(G-band),抗リン脂質抗体・凝固検査〔CBC,APTT,PT,抗CLIgG/IgM,抗CLβ2GPI複合体抗体IgG/IgM,ループスアンチコアグラント(dRVVT法/希釈APTT法)〕▶選択的検査:血栓性素因スクリーニング(第Ⅻ因子,プロテインS活性/遊離型抗原量,プロテインC活性),抗リン脂質抗体(抗PE抗体IgG,IgM),自己抗体(抗核抗体,抗SSA抗体),流産絨毛染色体検査(G-band)その他の検査を必要に応じて提案する(研究的検査)。▶NK活性,貯蔵型ビタミンD〔25(OH)D〕,慢性子宮内膜炎検査(子宮内膜CD138免疫染色)▶ネオセルフ抗体(抗β2GPI/HLA-DR抗体)不育症に対するスクリーニング10
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