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●ICD-Oコードを付記したWHO分類 第5版の分類リストを原文に準拠して掲載したが,●「病理診断報告書の記載法」に変更・修正を加えた。●WHO分類 第5版にはプリント版と有料で閲覧可能なオンライン版があり,用語や分類の修正などがオンライン版に反映されるため,両者の間には一部齟齬がある。本規約ではオンラインの最新版(2022年10月31日現在)に基づいて記載した。●肉眼分類は外向型と内向型の2つとした。●検体の取扱い,固定に関して追記した。● WHO分類 第5版では,以下に示す分子遺伝学的分類が類内膜癌に明記された。類内膜癌を予後との関連から,分子遺伝学的に4つのカテゴリーに位置づけることは臨床病理学的に意義が確立されてきているが,我が国の病理診断の現場において本分類に対応すべく日常化することは現実的な課題が多い。よって,今回の規約改訂では本分類を紹介/概説するにとどめ,今後,各施設に応じたそれぞれの取り組みから新たな類内膜癌分類の方向性が生まれることに期待したい。加えて,現在進んでいるFIGO進行期分類の改訂によって,本分子遺伝学的分類の応用,実践に対して適宜指針が示されることとなる。●POLE-ultramutated endometrioid carcinoma●Mismatch repair-deficient endometrioid carcinoma●p53-mutant endometrioid carcinoma●No specific molecular profile (NSMP) endometrioid carcinoma● 病理総論的に腺癌に分類される組織型について,WHO分類 第5版では「癌/carcinoma」,「腺癌/adenocarcinoma」の表記が混在しているが,実地臨床では双方とも容認される。本規約においては,特殊なものを除いて「癌/carcinoma」を用いることとした(類内膜癌 endometrioid carcinoma,漿液性癌 serous carcinomaなど)。● 類内膜癌の亜型 variantとされてきた,扁平上皮分化の顕著な型/with squamous dif-ferentiation,絨毛腺管型 villoglandular type,および分泌型 secretory typeは,独立した診断項目とはせず解説のなかで紹介するにとどめた。● 漿液性子宮内膜上皮内癌 serous endometrial intraepithelial carcinomaは,単独で経験されることもあるが多くは漿液性癌の背景として捉えられるため,初期病変として漿液性癌のなかに位置づけられた。1改訂の要点と留意事項1WHO分類 第4版(2014年)から第5版(2020年)への移行に伴う本規約の主な改訂点を以下にまとめた。本文中の診断名とは一部異なる。

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