● 病理診断報告様式(例)を変更した(4〜6頁)。● WHO分類 第5版にはプリント版と有料で閲覧可能なオンライン版があり,用語や分類の修正などがオンライン版に反映されるため,両者の間には一部齟齬がある。本規約ではオンラインの最新版(2022年10月31日現在)に基づいて記載した。 1 改訂の要点と留意事項1● がん登録に用いられるICD-O(International Classification of Diseases for Oncology, 国際疾病分類-腫瘍学)コードを付記したWHO分類 第5版の分類リストを原文に準拠して掲載したが,本文中の診断名とは一部異なる(26〜29頁)。● 病理総論的に腺癌に分類される組織型について,WHO分類 第5版では「carcinoma」,「adenocarcinoma」の表記が混在しているが,実地臨床ではいずれも許容される。本規約においては第4版を踏襲し,本文では特殊なものを除いて「腺癌」ではなく「癌」(例:漿液性癌,類内膜癌など)を使用することとした。● 扁平上皮癌,腺癌およびそれらの前駆病変の分類が再編され,HPV関連,HPV非依存性のいずれであるかによって区分されることになった。扁平上皮癌の場合はHPVとの関連を確認するためにはin situ hybridizationないしp16INK4a免疫組織化学が必須だが,現在のガイドラインでは治療指針に違いがないため,これを実施せずに「特定不能な扁平上皮癌(Squamous cell carcinoma NOS)」と診断してよい。これに対して腺癌は組織型がHPVとの関連の有無と対応するため,これらの補助的検索は必須ではない。すなわち,前版の通常型内頸部腺癌や特定不能な粘液性癌はHPV関連腺癌の形態的なバリエーションとして位置づけられ,組織型としては削除された。これに対して,胃型粘液性癌,明細胞癌,中腎癌はそれぞれ胃型,明細胞型,中腎型HPV非依存性腺癌に名称が変更された。● WHO分類 第4版と取扱い規約 第4版(2017年)で記載されている扁平上皮癌,腺癌の各組織型はそれぞれ鑑別診断や発育様式などが異なる。したがって,腫瘍の性状を伝えるために旧分類での名称を病理診断報告書に付記してもよい。例:HPV関連扁平上皮癌(旧:コンジローマ様癌),HPV関連腺癌(旧:通常型内頸部腺癌)● 新進行期分類であるFIGO 2018(日産婦2020),UICC 2021を掲載した。● 卵巣転移を認めてもFIGO 2018および日産婦2020ではⅣ期とはしないが,UICC 2021● FIGO 2018(日産婦2020)に基づいてⅠA期の定義から水平方向の広がりが削除され,WHO分類 第4版(2014年)から第5版(2020年)への移行に伴う本規約の主な改訂点を以下にまとめた。では遠隔転移(M1)に含めることになった(24頁)。
元のページ ../index.html#4