1) Pundir J, Pundir V, Walavalkar R, et al. Robotic-assisted laparoscopic vs abdominal and laparoscopic myomectomy: systematic review and meta-analysis. J Minim Invasive Gynecol. 2013; 20: 335-45〔PMID: 23453764〕(SR) 2) Wang T, Tang H, Xie Z, et al. Robotic-assisted vs. laparoscopic and abdominal myomectomy for treatment of uterine fibroids: a meta-analysis. Minim Invasive Ther Allied Technol. 2018; 27: 249-64〔PMID: 29490530〕(MA) 3) Iavazzo C, Mamais I, Gkegkes ID. Robotic assisted vs laparoscopic and/or open myomectomy: systematic review and meta-analysis of the clinical evidence. Arch Gynecol Obstet. 2016; 294: 5-17〔PMID: 26969650〕(SR)コラム⑥ 135文 献▶開腹手術より低侵襲で,腹腔鏡下子宮筋腫核出術と同様の短期手術成績が期待できる。しかし従来の術式と比較した再発率,周産期転帰などの長期予後の報告は少ない。 2023年現在,本邦においてロボット支援下子宮筋腫核出術(robot-assisted myomec-tomy:RAM)は保険適用とはなっていないが,海外において実施されたRAMと開腹手術および腹腔鏡手術との手術成績を比較した報告が散見される1-3)。 現在RAMと開腹子宮筋腫核出術(abdominal myomectomy:AM)あるいは腹腔鏡下子宮筋腫核出術(laparoscopic myomectomy:LM)のアウトカムを比較したRCTはないが,7つのAM,4つのLMとの後方視的比較検討を対象としたシステマティックレビューにおいて1),RAMはAMと比較して有意に出血量が減量,入院期間が短縮し,合併症の発生頻度は同等であったが,手術時間は有意に延長していた。また,LMとの比較においては術中出血量,入院期間,合併症発生率はそれぞれ同等であった。またその他のメタ解析においても同様な結果が得られていることから2,3),RAMはAMより低侵襲で,LMと同様の短期手術成績が得られる可能性が高い。また,これらの報告において使用されたロボットサージカルシステムと比較して現行のシステムは明らかに進歩していることと,今後の新規ロボット支援手術システムの登場により,LMと比較した優位性がもたらされる可能性もある。いずれも後方視的検討であるが,術後妊娠率は50~70%とされておりLMと同等の可能性があるが4-6),今後において,より多数例での検討が必要である。しかしAM,LMのいずれと比較しても医療資材へのコスト負担が大きくなることに留意する必要がある1)。さらにRAM自体が新規術式であることから,その再発率,癒着発生率などの長期的な成績比較や,術後妊娠中の子宮破裂を含めた周産期予後に関しての評価は少ないため,その有用性に関してはさらなる研究集積と評価が必要である。コラム⑥ロボット支援下子宮筋腫核出術は有用か?
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