A 眼球運動の診察60■眼球運動制限の診察には,各注視方向で主にどの外眼筋が働いているかを知らなければ何も情報は得られない.■各外眼筋の最大作用方向は,下記であることを丸暗記ではなく,眼球と外眼筋の形態学的な位置関係で理解する(図1).(☞神経眼科疾患の特徴:外眼筋の解剖)られる代償頭位は,下記がある. ▪内直筋:内転方向 ▪外直筋:外転方向 ▪上直筋:上転方向,特に外上転方向 ▪下直筋:下転方向,特に外下転方向 ▪上斜筋:下転方向,特に内下転方向 ▪下斜筋:上転方向,特に内上転方向右上直筋左下斜筋右外直筋左内直筋右下直筋左上斜筋図1 各注視方向で働く外眼筋上下直筋は外転時,上下斜筋は内転時に上転下転作用が強くなる.上直筋は外上転方向,下直筋は外下転方向,上斜筋は内下転方向,下斜筋は内上転方向で働く.真上は上直筋,真下は下直筋が主に働く右上直筋左上直筋右下直筋左下直筋右下斜筋左上直筋右内直筋左外直筋右上斜筋左下直筋1 頭位の変化(代償頭位)の観察■代償頭位を観察すると眼球運動異常をある程度推測できる.臨床的によくみ
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