基本診察b)自覚的検査a)Maddox杆(図8)b)眼底写真(図9)63■赤ガラス試験:一眼の眼前に赤ガラスを置き,ペンライトの光を両眼に当て,赤い光とペンライトの光の位置関係を尋ねる.赤い光が赤ガラスを置いた眼と同じ側に見えれば内斜視,反対側にならば外斜視,上に見えれば赤ガラスを置いた眼が下斜視,下ならば上斜視となる.(☞基本診察:複像検査)■一眼の眼前にMaddox杆を縦方向に置き,水平方向に見える赤い線条の傾きを尋ねるほうが答えを得やすい.■正常:黄斑は視神経乳頭の中央と下縁の高さの間に位置する.■外方回旋:黄斑が視神経乳頭の下縁の高さより下方に偏位する.■内方回旋:黄斑が視神経乳頭の中央の高さより上方に偏位する.A 眼球運動の診察 ▪外方回旋(12時を中心に眼球が耳側へ回転:右眼では反時計回り,左眼では時計回り):赤い線条が右眼では左下がりに,左眼では右下がりに見える ▪内方回旋(12時を中心に眼球が鼻側へ回転:右眼では時計回り,左眼では反時計回り):赤い線条が右眼では右下がりに,左眼では左下がりに見える図8 Maddox杆Maddox杆を被検者の眼前に置き,ペンライトの光を当てた時に直角方向に見える線条の傾きを尋ねる.Maddox杆を縦にして,水平方向の線条の傾きを問うほうが答えを得やすい33 回旋偏位の検査■滑車神経麻痺とocular tilt reactionの診断に必須の検査である.
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