基本診察c)判定d)原理(図16)左右367■正面位での複像のずれをプリズムで中和すると,麻痺の程度や経過を定量的に観察できる.■麻痺筋の作用方向を見た時にずれが最大となる.■麻痺眼で見た光が周辺に位置する.■各注視方向の眼位のずれを自覚的に答えてもらう検査である.❶内斜視■右眼の眼前に赤ガラスを置く.■赤ガラスを通して右眼に入った光は中心窩より鼻側の網膜に映る.A 眼球運動の診察 図14 複像検査(赤ガラス試験)被検者の一眼の眼前に赤ガラスを置き,両眼にペンライトの光を当てる.ペンライトの光と,赤ガラスを通して見える赤い光がどのような位置関係にあるかを,正面を含む9方向で問う中心窩図15 複像検査の記載法被検者が見た通り向かって右が右方視,左が左方視で,赤い光とペンライトの光の位置関係を被検者が見た通りに記載する.また,左右どちらの眼前に赤ガラスを置いたかを必ず明記する.図では,赤ガラスを右眼に置いた時,正面位で赤い光が上に見え(左眼上斜視),下方視で間隔が広がり,右下方視で最大になることから(矢印),左滑車神経麻痺の形である赤ガラス図16 複像検査の原理図のように,赤ガラスを置いた眼が内斜視ならば,光は中心窩の鼻側網膜に映る.鼻側網膜は耳側から来る光を感じているため,赤い光はペンライトの右側(同側性)にあると答える.外斜視ならばペンライトの左側(交叉性)にあると答える中心窩結像点
元のページ ../index.html#9