原点ですが、個人的には何か面白いことがしたい、あるいは「俺はお金が必要だ」という動機でも構わないと思っています。172石見:2004年に起業しましたが、2007年にいまのMedPeerの形をつくるまでの間はサイドビジネスでした。起業のきっかけは『金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント』(筑摩書房)という本です。坪田:ロバート・キヨサキですね。石見:そうです。あれを読んで衝撃を受けました。受験戦争に勝って、医師になって、将来は安泰だと思っていたのに、実はそうじゃなかった。クワドラントに書かれている四つの象限で言うと、左上が従業員、左下が自営業、右上がビジネスオーナー、右下がインベスターです。左側と右側の違いは、左側は自分の時間が取れないとお金が稼げない人です。医者はどの象限かわかりますか?坪田:左上ですね。開業医でも、左下です。石見:その気づきは、私にとっては驚きでした。開業医は右上だと思っていたら、事故に遭ったら明日からの収入がない。では、どうしたら右に行けるのか。試しにやってみようとスタートしました。いまの時代はインターネットだと想い、インターネット上での医者の送客ビジネスを考えました。転職したい医者を人材紹介会社とマッチングさせれば、仕組みで回ると思って始動させたのが始まりです。坪田:非常にわかりやすい。軽いノリでもいいから医師は起業すべき坪田:起業の障害となったことは何でしょうか?石見:(医師兼起業家としての)見られ方です。坪田:みなさんそうおっしゃいますね。石見:いまは医師の肩書きで検索に引っかかるような形で会社概要に載せていますが、当時は医師が起業するというイメージがいまよりよくなく
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