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た3)。メニエール病患者52例に,フルナリジンを対照として1日量48mgのベタヒスチン推奨解説48・ベタヒスチンのメニエール病のめまいに対する有効性は,エビデンスが乏しい。ただし,3カ月以下の短期投与に限ると,めまいを抑制する効果が得られる可能性があるので考慮してもよい。【推奨度B】・メニエール病に対するベタヒスチンの1年におよぶ長期投与は無効であり,長期間使用すべきではない。【推奨度C2】・ジフェニドールのメニエール病のめまいに対する有効性は,エビデンスがない。短期投与に関しては,めまい症状を抑制する可能性があり,考慮してもよい。【推奨度C1】メニエール病に対する抗めまい薬の有効性は,ベタヒスチンに関するRCTのシステマティックレビューがなされている。Cochrane共同研究においてプラセボを対象とした7つのRCTの243例におけるシステマティックレビューが行われた1)。めまいに対する効果は,個々のRCTでは有効であるものが多いものの,それらは診断法,アウトカムおよび研究方法の質が高くないとして,有効性を示すエビデンスはないと結論づけ,さらに質の高い研究の必要性を述べている。聴力や耳鳴については無効である。一方,Nauta,2014は,12のRCTについてメタアナリシスを行った2)。これは,それぞれの研究における異なった分類尺度で評価されためまいに対する有効性(その判定基準は様々である)を点数化し,検討したものである。1日あたりの投与量は16mgから48mgで,投与期間は14日から3カ月であった。344例のメニエール病については,プラセボに対するベタヒスチンの治療効果の点数のオッズ比は3.37であり,有効であることを報告している。比較的近年のRCTでは,81例のメニエール病に対しプラセボを対照とした1日量32mgのベタヒスチンを3カ月投与する研究において,月平均のめまい回数の減少効果があっを8週投与し,めまいの苦痛度をDizzinesshandicapinventory(DHI)を用いて検討した二重盲検試験がある。これによるとベタヒスチン投与したものは,フルナリジン投与のものよりも8週後のDHIスコアが有意に低下したと述べている4)。これらのことから,ベタヒスチンは3カ月程度の期間であれば,メニエール病のめまい発作を抑制し,苦痛度を軽快させる可能性がある。26.メニエール病の治療のClinicalQuestionCQ1CQ1メニエール病に抗めまい薬は有効か?

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