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AA不安、うつや睡眠不足があると耳鳴りが治りにくく悪化しやすくなります。(推奨度2C)questionQQanswer耳鳴り自体があっても必ずしも、不安やうつなどが生じなければ悪化させることにはなりません。ただし、耳鳴りをもったことで不安やうつが強くなると耳鳴りそのものをより気にしてしまう癖がついてしまって、生活をしていて苦しくなります。その結果、耳鳴りがより大きくなり、重症になりやすいこともありえます。あるいは、もともと睡眠不足、うつ、うつ状態、不安が強い方など精神疾患を有する場合でも耳鳴りが悪化しやすいことが多いです。耳鳴りを気にしやすくなる場合には、必ず、こういった背景がないかを確認し、不安、うつ、睡眠不足について治療を行います1-11)。(推奨度2C)うつは、耳鳴り患者さんの48〜60%に合併することが知られています。うつが重症であれば耳鳴りも重症になりやすいです。ただ、うつが耳鳴りの原因なのか、耳鳴りがうつの原因になるのか厳密にはわかっていません。ただ多くの場合、うつ、ストレスなどの精神心理的に影響をうけてしまった場合、精神症状が増強され耳鳴りも治りにくくなります。ネガティブな気分があると耳鳴りをより強く気にするようになり、より耳鳴りが悪化し、さらにネガティブな気分が強くなる、という悪循環に陥ります。これは耳が心とつながっている証拠です。さらに耳鳴り患者さんは睡眠不足も生じやすいことが知られています。睡眠不足には入眠時、途中で目がさめてしまう、などの背景があります。睡眠不足の原因に不安やうつがあることも十分に考えられます。したがって、耳鳴り患者さんで上記のような症状があれば、音響療法だけ、認知行動療法だけでは耳鳴りは必ずしも改善しません。うつ、不安、睡眠不足に対する治療を耳鳴りの治療の前に、あるいは並行して行うようお願いします。なお、うつ、不安、睡眠不足については、必ずしも耳鼻咽喉科医師が対応することばかりで134耳鳴りが治りにくくなる原因にはどのようなものがありますか?12-1

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