AA耳鳴りを完全に消すことはできないことが多いです。questionQQanswer(推奨度1B)耳鳴りの原因はさまざまであり、耳鳴りを起こす疾患も多岐にわたります。耳鳴りの原因や原因となっている疾患を治療できれば耳鳴りが消失する場合もありますが、多くの場合は、治療が難しいことが多く、耳鳴りを完全に消すことはできないことが多くなります。耳鳴りは「拍動性耳鳴」と「非拍動性耳鳴」に大別されます。拍動性耳鳴の約70%は他覚的耳鳴(体内に音源があり、第三者が聴くことができる)であり、その原因としては血管性耳鳴があります。血管性耳鳴は耳周囲の血流異常により発生すると考えられ、動静脈奇形や動脈瘤、動脈硬化などの他、血管性腫瘍や高位頸静脈球など血管の走行異常などがあります。このような拍動性耳鳴の場合は、原因疾患の治療により耳鳴りの消失が期待できる場合があります。非拍動性耳鳴の大多数は慢性持続性耳鳴が占め、自覚的耳鳴(患者さん本人のみが聴くことができる)であることが多く、これが多くの患者さんを悩ませている耳鳴りです。聴こえが悪くなるとそれに伴い耳鳴りが生じてくることがよくあり、慢性の耳鳴りの原因としては、音を感じる機能に障害のある感音難聴が最も多いと考えられています。一般的に、感音難聴は治療により回復する(聴こえがよくなる)ことが難しい疾患が多いため、感音難聴に伴った耳鳴りは、聴こえがよくならなければ完全に消えることはないと考えられます。ただし、耳鳴りのない聴力正常者の場合でも、周囲がとても静かな状況では、約8割が耳鳴りのような音を感じているともいわれております。さらに、日常生活の中で慢性的に耳鳴りを感じている頻度は、50歳以下の全成人で2〜3割程度もあり、70歳頃までは年齢とともに増加する傾向があるとみられています1)。ところが、耳鳴りが日常生活に支障をきたすような重症な患者さんの頻度はかな60耳鳴りを完全に消すことはできますか?4-1
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