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A.症状1.特定の頭位変換によって回転性あるいは動揺性のめまいがおこる。2.めまいは数秒の潜時をおいて出現し,次第に増強した後に減弱ないし消失する。めまいの持続時間は1分以内のことが多い。3.繰り返して同じ頭位変換を行うと,めまいは軽減するか,おこらなくなる。4.めまいに随伴する難聴,耳鳴,耳閉感などの聴覚症状を認めない。5.第Ⅷ脳神経以外の神経症状がない。B.検査所見フレンツェル眼鏡または赤外線CCDカメラを装着して頭位・頭位変換眼振検査を行い,出現する眼振の性状とめまいの有無を検査する。1.座位での患側向き45度頸部捻転から患側向き45度懸垂位への頭位変換眼振検査にて眼球の上極が患側へ向かう回旋性眼振が発現する。眼振には強い回旋成分に上眼瞼向き垂直成分が混在していることが多い。2.上記の眼振の消失後に懸垂頭位から座位に戻したときに,眼球の上極が健側へ向かう回旋性眼振が発現する。この眼振には下眼瞼向き垂直成分が混合していることが多い。3.眼振は数秒の潜時をおいて発現し,次第に増強した後に減弱,消失する。持続時間は1分以内のことが多い。眼振の出現に伴ってめまいを自覚する。4.良性発作性頭位めまい症と類似しためまいを呈する内耳・後迷路性疾患,小脳,脳幹を中心とした中枢性疾患など,原因既知の疾患を除外できる。後半規管型良性発作性頭位めまい症(半規管結石症)確実例(Definite)A.症状の5項目とB.検査所見の4項目を満たしたもの。良性発作性頭位めまい症寛解例(Probable)過去にA.症状の5項目を満たしていたが,頭位・頭位変換眼振を認めず,良性発作性頭位めまい症が自然寛解したと考えられるもの。良性発作性頭位めまい症非定型例(Atypical)A.症状の5項目とB.検査所見の4の項目を満たし,B.検査所見の1〜3の項目を満たす眼振を認めないもの。22良性発作性頭位めまい症(benignparoxysmalpositionalvertigo)診断基準(日本めまい平衡医学会2017年)(1)後半規管型良性発作性頭位めまい症(半規管結石症)診断

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