16 2) Shepard NT, Telian SA, Smith-Wheelock M, Raj A:Vestibular and balance rehabilitation therapy. Ann Otol Rhinol Laryngol 102:198-205, 1993. 3) 武田憲昭,飯田政弘,船曳和雄,肥塚泉,野村泰之,角田篤信,將積日出夫,瀧正勝,新藤晋,小川恭生:迷路刺激検査. 日本めまい平衡医学会編.めまいの検査 改訂第3版. pp.48-75,診断と治療社,東京,2018. 4) 診断基準化委員会, 担当理事:池園哲郎, 伊藤彰紀, 武田憲昭, 委員長:武田憲昭, 副委員長:中村正, 委員:浅井正嗣, 池田卓生, 今井貴夫, 重野浩一郎, 高橋幸治, 武井泰彦, 山本昌彦, 渡辺行雄:めまいの診断基準化のための資料. 診断基準 2017年改定. Equilibrium Res 76:233-241, 2017.[参考文献] 1) 平衡訓練の基準の改訂ワーキンググループ, 担当理事:北原糺, 肥塚泉, 堀井新, 委員長:伏木宏彰, 委員:山中敏彰, 五島史行, 佐藤豪:平衡訓練/前庭リハビリテーションの基準─2021年改訂─. Equilibrium Res 80:591-599, 2021.* 急性期の静的前庭代償は,メカニズムに含めない。** Catch up saccadeなどの行動代行behavior substitutionはメカニズムに含めない。のめまい・平衡障害患者(前庭性片頭痛,持続性知覚性姿勢誘発めまい),慢性期の両側末梢前庭障害患者,加齢性前庭障害患者も前庭ハビリテーションの対象である。前庭機能が変動しているメニエール病の発作期,外リンパ瘻などの患者は対象としない2)。 末梢前庭障害の診断には,温度刺激検査,ヘッドインパルス検査 (head impulse test:HIT),前庭誘発筋電位検査(vestibular evoked myogenic potential:VEMP)などの平衡機能検査を行い,判定基準に基づいて診断する3)。両側末梢前庭障害は診断基準に基づき診断する4)。 認知障害,視力障害,頸部疾患,高血圧,心疾患,不整脈などの合併症,転倒や四肢・脊椎椎体骨折の既往,人工関節置換術後,重度の骨粗鬆症などの既往歴のある患者に前庭リハビリテーションを実施する際には,頸部の痛みや転倒などに注意を要する1)。 平衡訓練/前庭リハビリテーションには,以下のメカニズムが関与している1,2)。①動的前庭代償dynamic vestibular compensation*の促進②適応(前庭動眼反射と前庭脊髄反射の適応)vestibular adaptationの誘導③ 感覚代行sensory substitution**と感覚情報の重み付けの変化(感覚再重み付け)sensory reweightingの誘導④慣れhabituationの誘導18前庭リハビリテーションのメカニズム
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