作成の経緯・概要第1章 1718 前庭リハビリテーションのメカニズム* 円周歩行では,中心からの半径の違いにより内側の外側半規管と外側の外側半規管に異なる力が加わり,直線歩行と比較して刺激強度が強くなる。図1-1 頭部回転の方向:roll, pitch, yaw運動①頭部の動きを伴う歩行や加速減速を伴う歩行を行う。②起立して歩行,方向転換や円周歩行*を行う。メカニズム 歩行により動的前庭代償が促進される3)。歩行に半規管刺激(頭部の動き)や耳石器刺激(加速減速を伴う歩行)を負荷すると,前庭代償が促進される。動的前庭代償は健側の前庭情報により進行するためである。効果 歩行の安定。運動 頭部をpitch* (上下垂直回転,図1-1)またはroll* (左右傾斜回転,図1-1)方向に動かしながらの歩行を行う。メカニズム 姿勢制御は半規管脊髄反射のうち,主に前半規管脊髄反射と後半規管脊髄反射で行われ,外側半規管脊髄反射の関与は乏しい**。頭部をpitch(上下垂直回転)またはroll(左右傾斜回転)方向に動かしながら前および後半規管を刺激する歩行により,前庭脊髄反射の適応を誘導する。効果 歩行の安定。18.1 動的前庭代償を促進する平衡訓練18.2 前庭脊髄反射(半規管脊髄反射)の適応を誘導する平衡訓練
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