* pitch=上下垂直回転(y軸中心の回転運動) roll=左右傾斜回転(x軸中心の回転運動)** 外側半規管の出力は胸髄レベルまでのため,外側半規管脊髄反射は主に頸部の前庭脊髄反18 ②固定視標(earth-fixed)を固視しながら歩行を行う。 ① 網膜上の視標像のズレ(retinal slip)が大きいほど前庭動眼反射の適応が誘導されやすいため,頭部と反対方向に動く視標を固視すると適応が誘導されやすい6)。適応の誘導には周波数特異性があるため,頭部回転の周波数を変化させる必要がある7)。 ② 歩行時には頭部も動くため,固定視標を固視しながら歩行を行うと,前庭動眼反射の適応が誘導される**。周辺視野が視運動性眼振を誘発する刺激となり,効果的に前庭動眼反射の適応が誘導される8)。効果 頭部運動に伴う視線の安定化の改善。射に関与している4)。* yaw=左右水平回転(z軸中心の回転運動)** 歩行時のpitch(上下垂直回転)方向の頭部回転は,最大約5Hz(1秒間に5回)になる9)。運動 ① 頭部をyaw*(左右水平回転,図1-1)またはpitch(上下垂直回転)方向に回転させて固定視標(earth-fixed)を固視し,次に頭部と反対方向にyaw(左右水平回転)またはpitch(上下垂直回転)方向に動く視標を固視する。ゆっくりとした頭部回転から開始し,次第に周波数を増加させて1Hz(1秒間に1回)以上の高周波数で頭部を回転させる5)。メカニズム運動 「垂直(鉛直)軸を意識しながら」立位で頭部と体幹を前後または左右に傾け,身体を安定させるようにする。開眼→閉眼と次第に負荷を加える。 メカニズム 前庭脊髄反射は最も重要な立ち直り反射であり,低周波数の姿勢制御は主に耳石器脊髄反射で行われる。前庭脊髄反射は静止した状態では起こらないため,頭部を体幹とともに前後左右にゆっくりと傾けることで低周波数の前庭脊髄反射の適応を誘導する。空間での垂直(鉛直)軸を意識しながら傾け,立ち直りを促進する。また,視覚情報を遮断した条件で頭部を体幹とともに前後左右に傾けると,前庭脊髄反射が強化され,その適応が効率的に誘導される。18.3 前庭動眼反射(半規管動眼反射)の適応を誘導する平衡訓練18.4 前庭脊髄反射(耳石器脊髄反射)の適応を誘導する平衡訓練
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