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lincal Question(CQ)クリニカルクエスチョンC第4章i43CQ2 慢性期の両側末梢前庭障害に前庭リハビリテーションは有用か?振り分けた。前庭リハビリテーション群は前半の8週間は週1回の病院での訓練,後半の8週間はホームエクササイズを行い,対照群は前半の8週間は週1回の病院でのアイソメトリック・ストレングス・エクササイズを行い,後半の8週間は週1回の病院での前庭リハビリテーション群と同じ訓練を行った4)。前庭リハビリテーション群は,対照群と比べて歩行速度を含む歩行機能が改善したと報告している。一方,DHIは両群とも前後比較で改善したが,両群間で有意差は認めなかったと報告している。Krebs, et al., 2003は,両側前庭障害患者53例と一側前庭障害患者33例に対して前庭リハビリテーションに関するRCTを行い,前庭リハビリテーション群と対照群に無作為に振り分けた5)。前庭リハビリテーション群は前半の6週間は週1回の病院での訓練,後半の6週間はホームエクササイズで,1日1回,週5回以上行うように指示した。対照群は前半の6週間は週1回の病院でのアイソメトリック・ストレングス・エクササイズを行い,後半の6週間は週1回の病院での前庭リハビリテーション群と同じ訓練を行った。その結果,両側前庭障害患者に対する前庭リハビリテーションは,歩行機能に関して一側前庭障害患者と同様に効果があると報告している。Ertugrul and Emre Soylemez, 2019は,両側前庭障害患者30例と一側前庭障害患者30例に対して前庭リハビリテーション(適応や慣れを誘導する訓練,バランス訓練,眼球運動訓練から構成される21の訓練プログラム)の前向き研究を行い,両群ともDHIが前庭リハビリテーション後に有意に改善し,両群間に差がなかったことを報告している8)。 両側前庭障害患者に対して,失われた前庭感覚情報を他の感覚情報で代行する前庭リハビリテーションの有用性が近年報告されている。具体的には,振動触覚,電気触覚,聴覚などで,頭部や体幹の傾斜情報をハイ・テクノロジー技術によって腰部や顔面にフィードバックする方法である。Goebel, et al., 2009,Janssen, et al., 2010,Brugnera, et al., 2015は,両側前庭障害患者に対する振動触覚を利用した感覚代行による前庭リハビリテーションに関する介入研究(クロスオーバー試験やRCT)を行い,感覚統合機能テスト(Sensory Organiza-tion Test:SOT)を含む,姿勢やQOLに対する前庭リハビリテーションの有効性を報告している6,7,9)。 両側前庭障害の罹患率は非常に低いため,いずれの研究も対象症例数が少ない点が問題である。そのため,現時点ではメタアナリシスは報告されていない。両側前庭障害は一側前庭障害とは異なって前庭代償が進行しにくく,前庭動眼反射や前庭脊髄反射を利用した前庭リハビリテーションの効果は,一側前庭障害に比べて限定的である。そのため,人工前庭技術の発展およびハイ・テクノロジー感覚代行やガルバニック刺激などの新しい前庭リハビリテーションの開発が今後期待される。患者が受ける利益:めまい症状の改善や視線の安定化,バランスや歩行障害の改善。患者が受ける害:転倒。益と害のバランス:適切な管理により益は害より大きい。益と害のバランス

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