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aabbccdd筋皮神経烏口腕筋正中神経腋窩動静脈肩甲舌骨筋肋間上腕神経最上胸動静脈胸背神経 胸肩峰動静脈(胸筋枝)小胸筋内胸動静脈胸背動静脈長胸神経胸骨傍リンパ節外側胸動静脈(b) 保存的頸部リンパ節郭清術の施行時の臨床所見(青矢印:顔面神経下顎縁枝,青三角:副神経,赤矢印:肩甲舌骨筋)(c) 腋窩リンパ節およびレベル区分(日本癌治療学会編:日本癌治療学会リンパ節規約,金原出版,東京,2002より)(d) 腋窩リンパ節郭清術の施行時の臨床所見(青矢印:上腕肋間神経,青三角:長胸神経,赤矢印:郭清するリンパ節を含む脂肪組織)42 第2章 悪性黒色腫(メラノーマ)総論図11 頸部と腋窩のリンパ節領域区分と郭清時所見(a) AAO-HNS分類によるリンパ節領域 ⅠとⅣ,ⅡとⅢの境界は舌骨の高さであり,ⅢとⅣ,ⅤAとⅤBの境界は輪状軟骨である(Robbins KT et al : Consensus statement on the classification and terminology of neck dissection, Arch Otolaryngol Head Neck Surg, 134 : 536-538, 2008より転載)この結果は,メラノーマの領域リンパ節への外科的介入の方針に今後大きな変革をもたらす可能性があり,新規薬物療法による術後補助療法の有効性と合わせ,正確なstagingに重要なSLNBの施行意義は益々大きくなっていくものと思われる。5.3 リンパ節郭清術本ガイドラインのCQ2では,MSLT-Ⅱの結果などを踏まえ,SLN転移陽性例にリンパ節郭清術を施行しないことを提案しているものの,すべての症例において郭清術を行うべきではないとするものではなく,臨床的に明らかな領域リンパ節転移例には依然郭清術は必要となる。また,SLN陽性例であっても頭頸部などのリンパ流が一定せず,すべてのSLN同定が難しい部位では,個々の症例に応じてリンパ節郭清術の施行を考慮すべきものと考えられる。今後,より必要性の高い症例に対して選択的に施行される手技になっていくものと思われる。(1)頸部リンパ節郭清術頭頸部におけるリンパ節の分類には,米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(American Academy of Otolaryngology-Head and Neck Surgery:AAO-HNS)における分類や日本癌治療学会リンパ節規約によるものなどがある(図11a)。特に頭頸部のメラノーマおいては,原発巣部位によってリンパ流も異なるため(図11c),臨床所見や画像所見,SLNBの結果などを総合的に判断した上で,症例に応じた郭清範囲を検討していくことが必要となる。頸部リンパ節郭清術の術式は,以下のごとくに分類される。・根治的頸部リンパ節郭清術(radical neck dissection):内頸静脈/副神経/胸鎖乳突筋などの非リンパ組織を一側頸部全域のリンパ組織とともに一塊として切除する。・保存的頸部リンパ節郭清術(modified radical neck dissection):少なくとも1つ以上の非

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