行うことを強く推奨,エビデンスの確実性:中行うことを強く推奨,エビデンスの確実性:弱では保険適用外であり,使用に際しては注意が必要である。日光角化症については多くの治療法が存在するため,まず医師は治療前に患者に対して複数の治療法について説明すべきである。真皮内浸潤が疑われる病巣に手術以外の治療を行う場合は,治療前に生検で病理組織学的な確認を行うべきである。今回記載した治療法のうち,PDTは2019年4月現在保険適用外であるため,使用においては注意が必要である。また,イミキモドを日光角化症に用いる場合,顔面および禿頭部以外への使用は保険適用外となるため,こちらも注意が必要である。今回引用した文献においては,アウトカムや対象が一定ではない。そのため,治療自体の効果や副作用を比較する際に正確な結果が得られないと考えられる。今後は,対象およびアウトカムを一定にした研究が望まれる。有棘細胞癌(SCC)の治療では,古くから外科的治療が第一選択の位置を占めている142)が,その際,肉眼的に腫瘍辺縁を決定し,そこからある距離の正常皮膚縁(以下「切除マージン」)を含めて切除するのが一般的である。本邦では欧米で行われているMohs手術が普及してこなかったこともあり,根治のために比較的広めの範囲を切除することが行われてきた143)。2002年版の「皮膚悪性腫瘍取扱い規約144)」に記載されている切除マージンは,T4(軟骨・骨・筋肉などへの浸潤)ないしN1(所属リンパ節転移のあるもの)で2〜3 cm,それ以外のT1〜T3では1〜2 cmである。これはexpert opinionであって十分な根拠が明記されていなかった。そこで,2007年から作成されている皮膚悪性腫瘍ガイドライン145)では,この問題をEBMの手法を用いて見直すことになった。CQ 2 139▪臨床に用いる際の注意点▪今後の研究の可能性推奨:低リスク群であることが確実な症例は4〜6 mm(またはそれ以上)離して切除することを強く勧める。それ以外の高リスク群と捉えうる症例は,6〜10 mm(またはそれ以上)離して切除することを強く勧める(リスク分類については表1を参照のこと)。投票結果:強く勧める:7/7▪背景・目的推奨度1B(低リスク群)1C(高リスク群)CQ 2有棘細胞癌の原発巣の手術療法において,切除範囲はどう設定すればよいか?
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