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1皮膚CQ4推 奨①皮膚硬化出現から6年以内の症例,②急速な(数カ月~1年以内)皮膚硬化の進行を認める症例,③浮腫性硬化が主体の症例のうち,②を含む2項目以上を満たす症例を対象とすべきと提案する。推奨度:2 エビデンスレベル:D[合意度8.1] 31 31前胸部:坐位で,胸骨上端から下端まで,胸を含めて評価する。腹部:背(仰)臥位で,胸骨下端から骨盤上縁までを評価する。大腿・下腿・足背:背臥位で膝を立てた状態で評価する。mRSSは検者の主観が入りうる判定法であるが,米国および英国の3施設におけるmRSSの検者間変動は,各施設でほぼ同程度であったことから,国や施設が異なってもその正確性は維持できると考えられている。また,Clementsらによれば,mRSSの検者間変動が25%,検者内での変動が12%であったと報告されている2)。前者は正確性,後者は再現性を示しており,十分許容できる指標と考えられている。Furstらは,前腕からの皮膚生検の重量は,前腕部の生検部のスキンスコアに相関するのみならず,全身のmRSSとも相関することを報告している3)。この結果はmRSSがSScの病理組織学的な線維化を反映することを示しており,mRSSの妥当性を示している。以上のように,mRSSは国際的な臨床試験にも広く用いられているが,例えば,同じ前腕でも部位によってスコアが異なることがある。そういう場合の評価法には,i)最も高いスコアを採用する(maximum score),ii)最も代表的な部位のスコアを採用する(representative area),iii)平均を算出したものを採用する(global average),の3つがあり,ii)とiii)が推奨されている4)。また,Medsgerらによる欧米人を対象としたmRSSによる皮膚硬化の重症度分類は,0=normal,1〜14=mild,15〜29=moderate,30〜39=severe,40以上=endstageとされている5)。しかしながら本邦においては,本ガイドラインで,0=normal,1〜9=mild,10〜19=moderate,20〜29=severe,30以上=very severeとしており,これに従うのが適当であると考える。解説 SScの皮膚硬化は浮腫期,硬化期,萎縮期という経過をとる。SScは皮膚硬化の範囲によって,四肢近位(上腕,大腿)または体幹に硬化の及ぶびまん皮膚硬化型全身性強皮症(diffuse cutaneous systemic sclerosis:dcSSc)と,四肢遠位(前腕,下腿)および顔面に硬化が限局する限局皮膚硬化型全身性強皮症(limited cutaneous systemic sclerosis:lcSSc)の2型どのような時期や程度の皮膚硬化を積極的な全身療法の適応と考えるべきか?

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