6784払う必要がある。なお,本ガイドラインでは治療前臨床病期分類はTNM分類第8版に準拠した。 第2版はMinds診療ガイドライン作成の手引きに基づいて作成され2015年に出版された。これに対して本改訂版は『Minds診療ガイドライン作成マニュアル』2017年版2)および2020年版3)に準拠して作成された。そのため,ガイドラインの構成や推奨の強さの決定方法が異なる。本ガイドラインの作成に際してシステマティックレビューチームは設けなかったため,エビデンスの収集やエビデンス評価・統合についても改訂委員会が実施した。文献検索は日本医学図書館協会の協力により,本ガイドラインに精通した図書館司書が実施した。ガイドライン全体の構成については見直しを行い,前版までのガイドライン等を通じてその知識や技術が広く臨床現場に浸透し,その是非について十分なコンセンサスが確立していると考えられる事項については総論形式で記載した。議論の余地が残る重要臨床事項については従来のように臨床質問を作成し,CQとして記載した。 CQの設定に際しては,その構成要素(PICO[P:patients,problem,population,I:interventions,C:comparisons,controls,comparators,O:outcomes])を検討し,PICOに基づく包括的な文献検索を実施した。すべてのCQに関して2010年1月~2020年12月の論文について,PubMedと医学中央雑誌(医中誌),Cochrane Libraryを検索した。これらのデータベースにない文献や主要な国際学会での報告についても各委員のハンドサーチにより追加した。検索後の文献は,まず各CQ担当改訂委員と協力委員の2名がアブストラクトをもとにPICOにあてはまるかを主な基準に独立して一次スクリーニングを行い,2名の意見が一致しない場合は協議,それでも迷う場合は二次スクリーニングに移行した。選択した文献について改訂委員と協力委員の2名がフルテキストを読みPICOを参考に二次スクリーニングで採用する基準(あるいは除外する基準)を根拠に論文を選んだ。2名の結果を照合,意見が違う場合はもう一人の意見(事務局)を参考にした。序 章1)エビデンスの評価:個々の報告評価(STEP 1) 採用された個々の論文について,それぞれのアウトカムごとに数値を抽出し,バイアスリスク(選択バイアス,実行バイアス,検出バイアス,症例減少バイアス,そのほかのバイアス),非直接性(研究対象集団の違い,介入の違い,比較の違い,アウトカム測定の違い),観察研究については上昇要因を評価し,エビデンス評価シートを作成した。改訂ガイドラインの特徴エビデンス収集方法(文献検索)・採用基準システマティックレビューの方法
元のページ ../index.html#4