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196  口腔癌一次治療後の経過観察については,国際的に統一した見解はない。これは,国によって医療制度や施策が異なり,さらに根拠となるデータが十分でないためである。National Comprehen-sive Cancer Network(NCCN)ガイドラインでは,最初の1年は1〜3カ月に1回,1〜2年では2〜6カ月に1回,2〜5年は4〜8カ月に1回,5年以降は1年に1回の経過観察を推奨している1)。米国やカナダのNational boardでは,NCCNガイドラインに準じた経過観察を推奨している。参考として,各国のガイドラインが推奨する,一次治療後の経過観察の間隔と期間についての比較を表2-5に示す2-4)。 本邦において,一次治療後の経過観察について考える場合,原発巣再発,頸部再発および後発転移,遠隔転移,異時性重複癌の早期発見を前提としたものでなければならない。したがって,それぞれの発症する期間に関する論文を参考に,本邦において推奨すべき経過観察の間隔と期間を考慮するのが妥当と考える。 表2-5 各国のガイドラインが推奨する経過観察の間隔と期間National Comprehensive Cancer Network(2016)The education committee of American Head and Neck Society(2016)Canadian Cancer Society(2017)United Kingdom National Multidisciplinary Guidelines(2017)口腔癌診療ガイドライン2023年版(2023)0〜1年1〜3カ月1〜2年2〜6カ月ごとごと2カ月ごと2カ月ごと2週間〜1カ月ごと1カ月ごと2カ月ごと一次治療後2〜3年4〜8カ月3〜4年4〜8カ月ごとごとNCCNに準じるNCCNに準じる3〜6カ月3〜6カ月ごとごと3カ月ごと4〜5年4〜8カ月5年〜1年ごとごと3〜6カ月ごと4カ月ごと6カ月ごと-口腔癌一次治療後の経過観察を行う場合,間隔としては,治療後1年間は最低月1回(可能であれば月2回),1〜2年では月1回,2〜3年では2カ月に1回,3〜4年では3カ月に1回,4〜5年では4カ月に1回,5年以降は個々の症例に応じて6カ月に1回程度が勧められる。CQ52口腔癌一次治療後に必要な経過観察の間隔と期間は?

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